いきなり報告で恐縮ですが、先日(2018/8/18)発売のSoftware Design 9月号にて、「データサイエンティストになる方法 - 野球とIT,プロの現場の仕事とは?」というテーマで執筆させていただきました.
- 作者: 中西崇文,中川伸一,橘慎太郎,安部晃生,横山直敬,馬場真哉,藤原秀平,飯塚修平,足立昌彦,藤田稜,やまねひでき,安藤幸央,結城浩,武内覚,宮原徹,北村壮大,平林純,速水祐,樽石将人,清水琢也,山田泰宏,田代勝也,上田隆一,中村壮一,重村浩二,くつなりょうすけ,mattn,小飼弾,すずきひろのぶ,あわしろいくや,中島雅弘,榎真治,法林浩之,関治之,奥村和彦,後藤大地,Software Design編集部
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/08/18
- メディア: 雑誌
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自分のエンジニア・キャリアを軽く振り返って野球のエンジニアになるまでの話をちょいちょい載せています.
お時間ある方はぜひご一読いただけると幸いです :bow:
のと、Software Design編集部・池本様はじめご協力くださった皆さま誠にありがとうございました.*1
さて、本題はこの話題ではなく(といいつつ最後の方にSDの話も出ますが)、
今年もPyCon JPで話しますよっていう報告および、「話すまでのプロセス」について触れたいと思います.
TL;DR
- 今年の発表テーマは「野球と技術の選球眼(せんきゅうがん)」
- 今回の発表がここ5年の野球Hackの集大成、これからはガチのスポーツ界を技術とデータで驚愕させていく所存
- カンファレンス発表もチームでの開発も「ストーリー」「イシュー」が大切、言語化してすすめていこう
- 「カイゼン(ジャーニー)」も素晴らしいが、原点に立ち返って「アジャイルサムライ」を見直してみてはどうだろう?
おしながき
Pythonistaの選球眼(せんきゅうがん) #今年の発表
PyCon JPのWebサイトにはまだ載っていませんが、
Pythonistaの選球眼(せんきゅうがん) - エンジニアリングと野球の目利きになる技術
今年はこちらのタイトルでCfP(トーク応募)を行い、無事採択されました.
トークの内容ですが、プロダクトを作りつつ小さい壁打ちを繰り返している最中ですが、
- 【技術の選球眼】データ解析・分析の道具をどう使い分けるか?(BIツール、Jupyter、自分で開発etc...)
- 【野球の選球眼】バレル・ゾーンなど、メジャーリーグのオープンデータを元にした解説と分析 ※主にBaseball Geeksネタです
- メインの技術トピックスは、「Nuxt.js + Djangoで野球データ分析・解析アプリを作ってみた」
これらは昨日(8/22)のkawasaki.rb #063で軽く素振りを行った結果、おおよそいい感じにウケた&新たな視点も出てきて感触を得たので、そのままプロダクト開発(Nuxt.js + Django)に振り切って本番までになんとか間に合わせようと思います.*2
なお、野球エンジニア宣言したエントリーにも記載しましたが、
私が「個人として」野球エンジニアリングの発表をするのは今回が最後となります.
なぜ発表するのか(なぜ引退するのか)
この辺の理由はシンプルで、
本物の野球の世界にどっぷり入っている&野球エンジニアになるまで応援してくれた人たちにお礼が言いたい
これだけです.
ここ5年の野球エンジニアリング(個人版)の集大成にしたい #話す理由
このブログおよび、Software Design誌でも触れていますが、過去のPyCon JPでは、
- セイバーメトリクス
- ビッグデータ解析(一球速報データ)
- Webアプリケーション(Django)でのアプリ開発
- データ収集から分析、可視化までのデータパイプライン構築&運用
「野球エンジニアリングは総合格闘技だ!」ばりに色々とやってまいりました.
気がつけば4回連続で野球を違うテーマで話していたという笑
それぞれの回で大きな学びや気付き、人生を変えるような出会いもあったりなど、
個人の野球エンジニアリングは正に「自分の人生の縮図」になってました.
後述の「引退理由」にも掛かりますが、ホントに野球が仕事になり、次のステージに進んだので、
- やり残した技術ネタを成仏したい.具体的には「PyCon JP 2014でやったDjangoアプリをリニューアルしたい」.*3
- 何よりもPython・エンジニアコミュニティを通して応援・支援してくれた皆さまに直接お礼が言いたい
はじまりあるもの全てに終わりがあるので、終わらせるなら今年だな!ってことでCfP書いてやりきることにしました.
ここから先はスポーツ界を驚愕させていく(真顔) #引退理由
個人の野球エンジニアリングそして今まで培ってきたスキルや経験、技能ヤル気を野球に全フリしたい!のが引退理由です.
ずっと掲げていた目標である、「ガチのプロの野球界で働いて価値をだす」事がついに実現し始めており(まだまだスタートですが)、
「個人で野球の話をしてなにかのエンゲージメントを得る」
という理由が無くなった、のが全てです.
ホントに「プロの野球エンジニア」になったのでもうアマチュア時代とはおさらば
言い換えるとこんな感じです.
とはいえ、
- このブログで野球のことは少しずつでも書く(業務に支障がない程度に)
- 何かの機会があったり状況が代わったりしたら「テノヒラクルー」はあり得る
- PyCon JPで登壇する目標は常に毎年持つ.なお、来年からの構想もすでにあります(準備中です).
皆さま多分御存知かと思いますが、「やきう民」の手のひらは基本的に360度くらい回るので、突然登壇しても驚かないでくださいね笑*4
発表の前にかならずやっていること「インセプションデッキで言語化を行う」
ここから話題がいきなり切れてプロセスの話ですが笑
2015年以降の野球エンジニアリング(そして今も)は、「アジャイルサムライ−達人開発者への道−」という名著かつ、大好きな思想・プロセスに大きく影響をうけており*5、
毎回インセプションデッキを作っています.
ちなみに「インセプションデッキ」は、
「しかるべき人をみんな同じ部屋に集めて、プロジェクトにまつわる適切な質問をすれば、自分たちのプロジェクトに対する期待を共有して、認識を合わせることができるはずだ」
※「アジャイルサムライ−達人開発者への道−」第3章より引用
という思想のもと、プロジェクトを言語化するためのフレームワークのことです.*6
これは何故やるか?っていうと...という話をすると長くなるので興味ある方はぜひアジャイルサムライをお読みください.
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 42人 クリック: 1,991回
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個人的には、
「インセプションデッキ(アジャイルサムライ)が無かったら野球エンジニアになれなかったのでは?」
と思ってるくらい今でも重要視しています.*7
今年のインセプションデッキ(一部抜粋)
テンプレはGitHubにあるものを使っています.
出して良さそうな奴だけだします.
雰囲気伝わると嬉しいです.
我われは何故ここにいるのか
パッケージデザイン
解決案
なお、過去にPyCon JP 2015でやった時のモノは完全版(に近い状態)で公開しています.
「カイゼン」の前にやることが「言語化」って意味でアジャイルサムライを見直したい(個人的な感想と主張)
今年に入ってから、アジャイルといえばこちらの名著が大変大きなムーヴメントになっています.
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「カイゼン・ジャーニー」は私も好きな本で、一介の開発者・エンジニアとして非常に楽しんで読めるし為になった本ではあります.
ですが敢えて言いたいこととして、
- 「カイゼン・ジャーニー」は大きな流れの中でたくさんのプラクティス・手法・フレームワークを紹介している
- 故に一つ一つの「濃さ」がちょっと足りない(&そもそもそこを求める本ではない印象)
- プロジェクトの成功可否やチーム作り、束ねる方向性はやはり「言語化」が事のはじまり
- 「言語化」するためには「ホントのイシューってどこにあるの?」っていうところから始めるの大切じゃね?
という意味でもっと「言語化」って大切にすべきかなー?なんて思っています.*8
「やりたい仕事に就くためには?」
「いい転職をするには??」
「機械学習エンジニアになるぞ!(モテたい)」
みたいなのを思い動くのはすごくいい事と思いつつ、もうちょっと「言語化」を頑張ってみてはいかがだろうか?
というのが最近最も言いたいことで、そんな視点でSoftware Designも読んでくれたら嬉しいな!、と思っている今日このごろです.
最後はポエムっぽくてアレですが言いたいことは以上です.
*1:オファーをくださった池本さんが徹頭徹尾伴走してくれてかつ、ちょっと日和ってた私を挑発(?)までしてくれて最高に良かったです、やりきった感すらあります笑
*2:今週は夏休みなので開発に集中しています、仕事っぽい感じですが笑
*3:Django CongressでCfP出して落ちたのでそっからPyCon JP 2018に照準を変えました
*4:???「やっぱり引退なんてなかったんや!!!」ぐらいは普通にいう可能性ありますよ私は笑
*5:アジャイルサムライに本格的に傾倒した2015年に監訳者のnawotoさんと知り合う機会があり、加速したというのもあります.なお当時は同じリクルートにいました(私が辞める前)
*6:思想なのかはたまたテンプレなのか?っていうとアジャイル本筋の人に怒られそうな予感はある.が、ここでは敢えてフレームワークと称します.
*7:余談ですが弊社の通常業務でも使っています&経営陣・メンバーにも説明として伝わりやすいのでかなり完成度が高いと思いますインセプションデッキ
*8:様子を見るに、「カイゼン・ジャーニー」ムーヴメントの怖さは「本のストーリーやプラクティスに目が向いて本質どっかに飛んじゃうんじゃね?」っていうところがあります.著者の市谷さん・新井さん両人ともストーリーがハッキリしている素晴らしい方々なので、本を読んだりイベントに行かれてる方は、そういう所にも目が行ってほしいなあ.