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Lean Baseball

Pythonで野球の人です.日ハムとアスレチックス,UK Rockが大好物.

投手大谷翔平のパフォーマンスをPythonでサクッと分析してみる

Python 野球 SABR

日ハム14連勝&レアードサヨナラ弾(通称🍣弾)で気分が最高すぎますこんばんは.

こちらの続編となる分析ネタやりましたので軽く紹介します.*1

shinyorke.hatenablog.com

おしながき

  • 大谷翔平投手の2016年
  • さくっと分析してみる
  • MLBの二刀流投手と比較してみる

なお、今回も、

  • 気軽にできるネタです.
  • 機械学習とかそんな難しいテクニックは使ってません.
  • ちょっと興味持った方はぜひ好きな選手で試してみて.

という感じですので気楽に読んでいただければと〜.

大谷翔平投手の2016年

個人年度別成績 【大谷翔平 (北海道日本ハムファイターズ)】 | NPB.jp 日本野球機構より引用.

※7/9現在の成績となります.

開幕して4月は1勝もできず、今年大丈夫かな?と思ったこともありましたが、初勝利から8連勝中(たしか、間違ってたらすいません)、唸るストレートを軸としてリーグ一位の132奪三振をキメるなど、投手としても無双しています.

サクッと分析してみる

前回同様、個人成績から出せる範囲の数字で大谷翔平を分析してみたいと思います.

観点

セイバーメトリクス(野球統計学)の分野では投手を、

  • 三振を沢山取れる
  • 四球を出さない
  • ホームランを浴びない
  • フライよりゴロを打たせる ※ただしシチュエーションによる

上記の軸で評価を行うのが基本です.

ちなみにこれは野球統計学の分野では「DIPS (野球) - Wikipedia」と呼ばれています.

今回の分析では、太字の部分「奪三振」「与四球」「ホームラン」について触れたいと思います.

なお、

  • フライかゴロか
  • 球速やボールのキレ
  • 捕手との相性(大野と組むのがいいのかそれとも市川サイコーなのか、なお近藤(ry、的な奴)

はデータが取れないので今回はやりません.*2

分析テーマ

奪三振と与四球をテーマに、大谷翔平が2013年のプロデビューから、投手としてどのように変わっていったのかを見てみます.

一試合あたりの奪三振・与四球

  • 一試合あたりの奪三振(K/9)
  • 一試合あたりの与四球(BB/9)
  • 一試合あたりの被本塁打(HR/9)
  • 一個フォアボールを出す度に何個三振を奪っているのか(K/BB)
  • 参考値としてWHIP(投球回あたりの走者数平均)も合わせて出して比べてみる.

コードを書いてみる

これも前回と同じ環境・手順でやってみます.

ポイントは、

  • 日本プロ野球機構の成績表から投手成績のみを抽出する
  • 前処理として、欠損値のゼロ埋めとデータ型の変換(object to float)、イニング数が何故か別れて出ちゃうのでくっつける
  • 計算してプロットしてみる.

やったことはこれだけです.

gist4d5bd01353f02f0493a4ffa5ebeb55c1

結果と考察

グラフに書きだした後、ちょこっと考察してみます.

結果

グラフ少し見にくいかもスイマセン.

グラフ

上からK/9, BB/9, HR/9, K/BB, WHIPのグラフです.

BB/9とWHIPは右肩下がりになるとBest.

f:id:shinyorke:20160709164134p:plain

データ

pandasのデータフレームの中身です.

f:id:shinyorke:20160709164304p:plain

考察

総評!!!

  • 奪三振能力はさほど変わらず、去年の高水準をキープ.
  • 四球が増えている事により去年より少しだけパフォーマンスが悪化.
  • 本塁打がいい感じに減少.
  • どの数字もエースたる水準をキープ、野手としてのパフォーマンスを含め日ハムの大型連勝を支えているのもよくわかる.
  • 大谷翔平すげーわ.

一試合あたりの奪三振(K/9)

  • キャリアハイだった去年(2015)とほぼ同水準.
  • 去年の11という数字はかなりの高水準(9回投げる度に11個の三振を奪える計算)だが、今年もほぼそのペースを維持.
  • なお現役人類最強左腕クレイトン・カーショウドジャース)のK/9が10.8でこのレベルと同等というのは純粋にほめていいレベル.

一試合あたりの与四球(BB/9)

  • (ほんの少しだけ)悪化.
  • 去年が2.5、今年が3.
  • そういえば負けが続いてた春先は四球をちょいちょい出してたような&本日(7/10)先頭打者へのストレート四球で崩れた辺りにストライクゾーンを支配できてない苦労が伺える.

一試合あたりの被本塁打(HR/9)

  • 本塁打が減少傾向、大変素晴らしい!!!
  • 0.58→0.4→0.39→0.33と順調に減ってる.三試合投げて一発打たれる程度.
  • 余談ですが今シーズンの成瀬(ヤクルト)のHR/9は1.52でした(一試合当たり1.5発被弾、二試合で3発).

一個四球を出す度に何回三振を奪うか(K/BB)

  • 若干悪くなっている.
  • 三振が微減、四球増で少しだけ悪くなっている.
  • 人類最強左腕カーショウのK/BBは16.11、これは変態レベル.*3

WHIP(1イニングあたりの走者数)

  • 毎回1人は出してる、ぐらいの認識.
  • 先発投手のWHIPとしては十分エースといえる水準.
  • ただし、この数字自体は投手の実力だけでは測れないので参考程度.*4

【おまけ】MLBの二刀流投手と比較してみる

ちょっと前の記事になりますが、メジャーリーグでもリアル二刀流が実現しました.

www.nikkansports.com

サンフランシスコ・ジャイアンツのエース左腕でシルバースラッガー賞(打撃部門のベストナイン)で投手部門で二度獲得しているマディソン・バムガーナーが、チーム事情と日本の大谷翔平に刺激されて(?)、交流戦のアスレチックス戦(DH制あり)の試合で「9番投手」で先発しました.

そんなバムガーナー投手も大谷と同じ軸で見てみました.

なお、打撃に関しては流石に差がありすぎ(バムガーナーは野手として先発出場はしていない)、比較そのものに意味が無いので割愛しました.

コード

ほとんど同じコードなので割愛、データ元がESPNに変わった程度です.

Madison Bumgarner Stats - San Francisco Giants - ESPN

気になる方はこちらのGistを参照ください.

madison-bumgarner.ipynb · GitHub

結果(グラフとデータフレーム)

f:id:shinyorke:20160709171443p:plainf:id:shinyorke:20160709171456p:plain

総評

  • 大谷とほとんど似ていない、左右の違い、投球スタイルの違いが出ているような結果に.
  • 全般的に与四球をださない、三振やや多めで被本塁打がちょっと多い.
  • 自慢のコントロールに陰りが見えているのか、BB/9の数字が悪化してるのが気になる.

感想など

  • 大谷はやっぱ凄い.
  • 投手として最高のパフォーマンス見せつつ野手でも平均以上って事がデータだけでわかる.
  • 野手編として、他の選手(ヤクルト山田や広島鈴木など)もちょこっと見てみたい.
  • とはいえやりたい野球Hack(主にメジャー)があるので続きはどなたかよろしくお願いします!

*1:思ったよりはてブ集まったりGoogleのニューストピックスに乗ってびっくりました(゜o゜;ありがとうございますありがとうございます

*2:この3つ、MLBのデータでは分析可能でPyCon JPのProposalも出していたのですが残念ながら準候補に落ち着いたため、別の機会に発表します.

*3:7/9現在、121回を投げて、145個の三振を奪っておきながら四球がたったの9つ.もう意味がわからない...w

*4:インプレーの打球を捌くのは野手のミッションで、野手が下手糞だとWHIPも悪化する(逆もしかり)類の数字なので、「今年の日ハム守備いいな」ぐらいの認識が本来あるべき姿かも.

たった数行のPythonコードで打者大谷翔平がどれだけ凄いのかを見てみる

Python Baseball SABR

先に言っておくと、

  • あくまでもネタです
  • 機械学習とか高度なネタは出てきません.
  • あくまで参考程度に、ただし世の中のスポーツ系サイトや新聞よりまっとうにデータで見ている(と思われる)

そんな感じで気楽に見てもらえればと.

打者「大谷翔平」の2016年

打撃成績

前日(2016/7/2)までの成績.

本日(2016/7/3)は「1番(投)」で二刀流スタメン起用、プレイボール弾(初回初球先頭打者本塁打)を決めるなどして、打撃成績は向上しています.

ここでクエスチョン

  • 大谷翔平の何が変わったのか?
    • 三振が減った
    • 四球が増えた
    • パワーがついた
  • キャリアハイな成績を残す(と思われる)打者大谷の強みはナンだ!?

なお、

  • 二刀流した結果打撃に良い効果が?
  • 相手が弱くなったor自分(大谷)が強くなった

等の仮説は手に入るデータ(と時間)で検証するのは無理なので断念しました.

早速データを出した&検証してみました

検証方法

  • NPB(日本プロ野球機構)の公式データを元に、野球統計学で用いる指標を算出.
  • デビューした2013年〜今年(途中)までの数字を見比べる.
  • シンプルに「パワー(どれだけ長打を打つか)」と「我慢強さ(ボールの見極めができているか、簡単にバットを振っていないか)」に着目して見てみる.

使ったモノ

Python 3前提ですが、Python 2でも動くはず(試していません&保証しません).

環境はMac OS Xを想定していますがLinux/Windowsでも十分行けると思います.

不安な方はAnacondaなどを使ってください.

  • Python 3.5.2
  • pandas
  • Beautifulsoup
  • jupyter notebook

環境を作る

venvもしくはpyenvなどでPython 3.5.2の実行環境を作った後、pipで以下のライブラリをインストールする

$ pip install jupyter pandas lxml html5lib BeautifulSoup4 matplotlib seaborn

インストールが終わったらjupyter notebookを起動.

$ jupyter notebook

コードを書く&実行

PandasでHTMLから直接読めるよ!的な便利機能を初めて使いました.

大したコードになりませんでしたよと(所要時間:30分).

gistad401e1e8b0aba94b2d983aa96b81c1b

考察!

計算結果

ざっとこんな感じになりました.

f:id:shinyorke:20160704002923p:plain

数値の傾向

一般的な指標値からの想像

  • 出塁率長打率ともにヤバい!キャリアハイ待ったなし.
  • 44試合で22四球、「2試合に一回」程度四球を奪うようになってる.元々四球が少ない選手(70試合出て20個オーバーがやっと)な選手なのに、これは大きい.
  • 一方三振のペースは例年通り?このペースだと50個行かないぐらいで着地しそう.
  • (見ての通り)打率も高く、こちらもキャリアハイを十分狙える.

セイバーメトリクス指標からの想像

  • パワー・我慢強さ共に兼ね揃えたいい打者に!
  • 出塁・長打が多くOPSはリーグ屈指のクラスに.
  • 我慢強さを表すisoD(出塁率-打率)は前年の倍近く改善. 打率上がってisoD下がりそうなところが、ボールを選ぶ粘り強さで更に価値を出している.
  • 純粋なパワーを表すisoP(長打率-打率)も0.302と異常な数字に.そりゃ初回初球先頭打者プレイボール弾もキメるよね.
  • BB/Kが劇的ビフォーアフターな数字に! 四球1個取るのに5,6回の三振が必要だった去年とくらべ、今年は「三振1.4個あたり四球1個」となかなかの改善ぶりを見せている.

結論

  • 打者大谷翔平は我慢強さとパワーを兼ね揃えた化物に変貌していた!!!
  • 四球が増加したことによりStats(成績)全体が改善).
  • オフのトレーニング(ビルドアップ)の効果は長打という実にわかりやすい形で吉と出ている.

検証できなかったこと

いずれもデータの関係で出来なかった.

MLBならいくつか検証可能なのに...くやしい.

四球数の増加要因

  • 相手が警戒している
  • 大谷の選球眼がよくなった
  • ペイシェント(我慢強さ)を表す数字が手に入れば...!(ボールの数、スイング率など)

DH専任VS二刀流

  • いわゆる、「投手大谷としてのリズムが打者大谷に大して好影響を...」的な奴
  • 真面目な野球統計学の分野では割と否定される仮説なのだが、実際どうなんだろう?

周りの打者の影響

  • 中島卓也(ショート)が去年以上にカットしまくってるとか、レアードが打ちまくってるからとかとか.
  • 打線が大谷という「点」ではなく、中田や陽岱鋼ほかスタメンを含めた「線」で機能している→大谷勝負のみに集中できない?とか.
  • この辺は機械学習なアプローチで検証できるかも.

以上、久々の野球Hackでした.

【雑感】PyCon JP 2016トークの外部審査員をしました&その学び

Python PyCon JP Conference

こんばんは!

最近週末は野球hackとデータを眺める時間に幸せを感じている人です.

2014年、2015年の二年間参加者&スピーカーとして楽しませてもらったPyCon JPですが、「新しいチャンジをしてみよう!」という事で、セッショントークを採択する「外部審査員」なるものを先日やってみました.

PyCon JP Blog: トークのレビュワー(外部審査員)の募集開始しました

その時のレポートと学びを自分向けメモ&「私もカンファレンスに登壇したいな!(※言語限らず)」という方に向けての学びをここに共有しようと思います.

外部審査員のお仕事

上記のエントリーからのおもいっきり引用ですが、外部審査員のお仕事は以下の2つです.

レビュアーはリンクに記載の通り、一般公募していました.*1

プロポーザルに対するレビュー

トーク一覧 | PyCon JP 2016 in TOKYOに応募されたトークの内容(タイトル・目的・概要etc...)に目を通し、+1〜-1の間で投票を行い、コメントを入れます.

また、必要に応じてプロポーザルを提出した方にフィードバック(質問や修正の提案など)を行います.

投票はすべてのプロポーザルに対して以下の点数で投票を行います.

+1 - Good proposal and I will argue for it to be accepted. (良い、採用されるべき)

+0 - OK proposal, but I will not argue for it to be accepted. (まあまあ、採用されてもいい)

−0 - Weak proposal, but I will not argue strongly against acceptance. (ちょっと弱い、採用されても文句は言わない)

−1 - Serious issues and I will argue to reject this proposal. (問題があるので、採用されるべきではない)

今年は108件のプロポーザルがあり*2、私は自分のプロポーザルを除く107件に対して投票*3を行い、いくつかのフィードバックをさせてもらいました.*4

トークを採択する

レビューおよびフィードバックを6/25(土)いっぱいまで行い、トークの採択を先日の日曜日(6/26)に行いました.

pyconjp-staff.connpass.com

今年のPyCon JPでプログラムを担当されている@shimizukawaさんを始めとしたPyCon JPスタッフ、私のような外部審査員を含め10人ちょっと(リモート参加含める)で4時間もの議論を重ね、108件のトークから採用(と予備)を決めました.*5

トークはどのように決まったのか

結果

約30人のレビュアーのレビューと採択MTGで決まったトークの一覧は以下のとおりとなります.

pycon.jp

採択された皆様、本当にホントにおめでとうございます!!!

一方で不採択(&予備)のトークも大接戦で選ぶのが本当に難しかったです.

つぶやいていないレビュアーも含め、口々に「難しい」「レベルが滅茶苦茶高い」「判断難しい」と異口同音に感想を述べていました.*6

トークを採択した基準(ただし言える範囲で)

そんな「レベルが高い」「判断難しい」トークはおおよそ以下の観点・ルールで採択されました.

ここでは「おそらく言っていいだろう」という部分のみ言及します.*7

というより、PyCon JPのブログに書かれた観点そのものとなります.

要点をまとめると、

  • 多様性重視
  • (多様性の観点で)投票数が多い「だけ」で決めているわけではない

というのが基準となりました.

トーク・レベル・分野の多様性(Everyone's different, all are wonderful)

今年のPyCon JPのテーマである、

Everyone's different, all are wonderful (みんなちがって、みんないい)

の価値観を大切にした上でトークを採択しました.

最近Pythonでデータ分析(AIとか機械学習とか)が流行ってるからといって、データ系のトークだらけになったり、初心者向けのトークが多くなったり...という隔たりが無いよう、

  • 分野(データ・ウェブ・組み込み・コミュニティ・etc...)
  • 難易度(上級・中級・初級)
  • 言語(日本語・英語、英語の発表は30%程度)
  • ニーズ(マジョリティーなモノもマイノリティーなモノもバランスよく)

といったあたりをまんべんなく網羅できるように採択しました.

評価得点

枠が競っていたり、悩んだりしたものについては、レビューの投票数、コメント(ポジティブ・ネガティブ)を参考にしました.

ここの議論で4時間の半分以上を使っていたと思います.

ここではプロポーザルの内容を深掘りしたり、Pythonやその周辺の技術や環境、その他の観点での熱い議論があり、採択MTGは大変盛り上がりました.

学び

雑感めいた内容ですが残します.

レビュアー(私個人)として

100件ちょいのプロポーザル査読は隙間時間で頑張ればなんとか出来る

  • 移動時間
  • 食事中
  • 寝る前

この辺の時間でなんとか片付いた

フィードバックのコメントは発表者・レビュアー双方共に大切

  • 適切なフィードバックとコメント欄の議論でプロポーザルが見違えるように良くなった事例があった
  • レビュアーとしても嬉しい&発表者的にも嬉しかった(と思われる)
  • ちなみに発表者の個人(私)はフィードバックコメントがもらえず少し悲しかった

多様性大切!

  • 分野・難易度・言語・ニーズすべてで満遍なくいい感じの採択ができた
  • (結果論になりますが)常連のPythonistaから初登壇の方まで、発表者の多様性も担保されているような気がした

疲れた

  • この一週間寝不足に
  • 来年どうしよ...

「私もカンファレンスでしゃべりたい!」という方へ

PyCon JPの話ではありますが、これは他の言語のカンファレンスにも通じると思います.

ご参考にどうぞ.

フィードバックを一言でいうと

プロポーザルはちゃんと書け

  • 必須項目のみ、最低限入れられてます!的なプロポーザルはどうしても訴求力が足りないし弱い. 「コード読めばわかる」的なエンジニア気質はここでは捨てたほうが良策.*8
  • 訴求力足りない&弱いと、フィードバックのコメントも「アウトライン書いて」「もう少しkwsk」と弱くなってしまう.
  • 私個人の感想ですが、2,3個の「薄いプロポーザル」を書くぐらいなら、1個の「濃いプロポーザル」を書いたほうが採択の確率は高くなると思う.
  • とはいえ書きすぎる、文量多すぎると読むのも大変だし論理が破綻してると読み手も書き手も涙目になるのでバランスは考えましょう.
  • 参考資料や実績、絵図が入ってるプロポーザルは個人的に大変ありがたかったです.*9

Pythonの何かを発表」するのか、「Pythonを使って何かを成し遂げた発表」をするのかを明確に書こう.

  • Pythonが目的(前者)でも、Pythonを手段に目的が別(後者)でもどちらでもOKだが、「どっちを軸にしたプロポーザル」なのか明確に書こう.
  • 一見良さ気なプロポーザルでも読み進めると「え、これPythonでやる必要あるの?」「ホントにPython使うのこれ?」みたいな勿体無い内容のものがいくつかあった.
  • また、目的・手段どっちも取ろうとしている or どっちも曖昧で振り切る方向がわからないモノもあった.
  • これらもレビューのコメントに困ったなあ...
  • Pythonの例で書いていますが、これは他の言語やFWでも一緒と思われる(RubyでもGolangでもAndroidでもあるだろうきっと)

で、@shinyorkeさんのトークはどうなったの?

野球トークの行く末ですが、

お後がよろしいようで.

*1:これは自分の所感&想像ですが、レビュアー自体がPythonのプロな必要がある&レビュー開始からトーク決定まで半月も無かった関係上、PyCon JPスタッフやPythonista達のつながりを介して集められた印象があります.私もそんな中@shimizukawaさんに声をかけられました&面白そうと思い二つ返事でOKしました.

*2:PyCon JP Blog: トークの応募数をPandasで集計してみた

*3:(当然だが)自分のプロポーザルに対して投票・コメントはできない

*4:土日の隙間時間、平日の帰りの電車・晩ごはんの最中・寝る前に数十件ずつ片付けてなんとか全部読みました.

*5:採用+予備の件数はここでの公表は控えさせてもらいます.そのうちPyCon JPのサイトもしくはブログに載ると思う(例年通りであれば)

*6:14:00に始まったMTGが18:00過ぎに終わり、普通なら飲みに行く流れなのですが疲れすぎて無理でした.個人的には地元で飲みましたがw

*7:他の論点・観点も当然ありますがこれは秘密です.が、ここに書いた2つの観点、特に多様性を大切にしていたのは紛れも無い事実です.

*8:文章をちゃんと書くのもエンジニアの素養の一つだったり

*9:発表慣れしていたり、ガチの研究者だったりするんだろうなあ...

ふりかえりを分類してみた〜自分のチームに合うのはどれだ!? #Agile

Agile チームビルディング

先日、Facebookにて、

【教えてアジャイルに詳しい人】

KPT以外の振り返り手法

とつぶやいてみたところ、大変ありがたいことに、1日で10件以上のフィードバックを頂きました(嬉し涙).

たくさんコメントを頂いたので、せっかくなので分類&「そもそも自分のチームで何をふりかえりたかったんだろう?」をちゃんと振り返ろうと思います.

なお、あらかじめ言っておくと、

「分類」しただけで、「効果」に関してはノーコメントです!*1

ふりかえりを分類してみました

いきなりですが、このエントリーの言いたいことを絵にした結果こうなりました.

「ここに書いてる手法全部知ってるぜ!」という方はこの四象限を見てそっとブクマしていいと思います.

私はここに書いた手法の2/3は知りませんでした.

(そもそもKPTとワールドカフェ、5なぜ以外知らなかったので聞いてみた)

f:id:shinyorke:20160616002902p:plain

分類の軸

【縦軸】パッション重視か、プロダクト・サービス重視か?

チームメンバーの人たちや、個人といった「人・チーム」フォーカスして改善を回していくか、

それともプロダクトやサービスのKPI/KGIなどをベースにフォーカスして改善を回していくか.

この時点で結構カラーが出ちゃってる感ありますね.

【横軸】楽に導入できるVS学習が必要

ポストイットとサインペン、ホワイトボードがあれば即興で出来るのか、

あらかじめ道具や事前知識、「ガチ」なアジャイルコーチを雇って引っ張らないと回らないのか.

私自身はスタートアップの開発チームのエンジニア兼スクラムマスター*2なので、

  • あり物の道具、手に入る範囲の知識でイケる(専用のツールが...カンファレンスで出た論文に...的な奴はアウト)
  • チームメンバーへの学習コストが低い(ちょっと教えれば真似が出来る&事前の学習が不要)

という目で分類してみました.

分類後のふりかえり手法を数行で解説してみる

上記分類に基づき、適当にクラスタリングした結果を1行で解説します.

とは言っても、ここに書いた手法の2/3は知らない(大切なので二回言いました)ので、ググッてまとめた&自分の主観メインであることはご了承ください.

仕事忘れる系

週次のふりかえりでやるのは辛いがたまにはやるといいかも...的な.

サービスやプロダクトを一旦置いておいてチームの結束を...な意味が強い.

ゲームをする

TVゲーム、卓球...ではなく、アジャイルでよくやるようなゲームを導入してみる.

外のワークショップや勉強会でよくやる奴ですね、自分ではなかなかできませんが.*3

チーム全員で絵を書く

マインドマップとかビジネスモデルキャンバスとか色々ある絵を下敷きにみんなで絵を描くとか?

ふりかえり文脈ではやったことないですが、企画の文脈で何回かワークショップをファシったのでこれは検討の余地あるかも.

オフィスの外にでる

合宿とか日帰り開発合宿とかパワーランチとか.

現実逃避系かな?

リフレクション

実践家の情報共有は最高の勉強になる:リフレクション実践研究会Vol.2

経験(ふりかえり)→内省(気づき)→行動(アクション)をいい感じに回す方法らしい.

未体験かつ初めて聞いた手法ですが、なるほど!という感じなのでちょっとこれは機会あればやってみたい.

チームビルディング系

週次〜月次くらいで定期的に回した方が良さそうなもの.

ワールドカフェ

ワールドカフェ - Wikipedia

与えられたテーマについて各テーブル数人で議論、一人(テーブルホスト)を除いて各人が移動してまた議論してフィードバックをもらって...を数回繰り返してブラッシュアップする振り返り手法.

アジャイル系のワークショップ(POStudy)とかではお馴染みの手法.

絵文字でKPT

KPT(Keep/Try/Problem)の変形で、KPTの3文字を使わず、

みたいな感じで絵文字やアイコンで置き換える方法.

殺伐としたKPTになりにくそうなのでチームビルディングとかにいいかもしれない.

カフェでお茶とお菓子

3時のおやつ、ティータイムでふりかえりで良かったことや気付きを促すのはいいかもしれない.

ビジネスふりかえり系

人やチームも扱うけど、主役がサービスやプロダクト(に行きがち)な手法.

世の中の事例やノウハウ、ビジネスマンの好みでいうとココが一番のボリュームゾーンかも.

KPT

Keep/Problem/Try、以上.変形系でKPTAとかもある.

個人的な感想としては、一番使われていそうだけど「うまくやってるよ!」という話を一番聞かない手法.

フレームワークとして完成度が高すぎて回すのが難しい感ある.

タイムライン

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引きで紹介されている?手法.

本を読んでいないし、タイムラインも初めて知ったのですがどうやら割と昔からある手法らしい.

最終的には年表みたいなモノを作る感じ?

YWT/YWMT

YWTという振り返り手法について | ナカシマガジン

やった(Y)、わかった(W)、次にやる(T)を元に学習していく振り返り手法.

変形系でこれにメリット(M)を加える方法もあるらしい.

個人の経験にフォーカス...とあるけどこれ仕事のチームでやるとホントに個人にフォーカスできるんだろうか?と思いました.*4

Five Whys(5つのなぜ)

いわゆる「トヨタの5なぜ」ですね.

効果はメッチャあると思っているのですが、5回繰り返すためには思考方法(ダブルループ的な?)と自分なりのFrameworkが無いと相当つらいんじゃないかと思う.

個人的には初めて参加するMTGとかで「5なぜやろう!」と言われると震える.*5

ガチ勢系

コーチ業でご飯を食べているアジャイルコーチやその道のエバンジェリスト、ガチガチのビジネスマンが大好きであろう手法.

私も個人としては好きな奴もありますが、実践となると二の足を踏むやつです.

AAR(After Action Review)

PDCAを確実に実践し、組織が学びを蓄積して、成長するために。米国陸軍生まれのAAR(アフター・アクション・レビュー):永井孝尚の写真ブログ:オルタナティブ・ブログ

  1. やろうとしたことは何か?
  2. 実際何が起こったのか?
  3. 何故そうなったのか?
  4. 次回何をやるのか?

を軸に議論をしてアクションを決める、ポイントは「学びと改善」

PDCAと何が違うんだろう、と思いましたが、上記ブログに「任務の成否より学びと改善にフォーカス」とあったので、その辺成否を問うPDCAと違うんだなと解釈しました.

Conferenceや論文で出てきそうな考え方や手法

まだ書籍になってない、なっていても洋書や論文しかない系のネタ.

Agile 2016とかそんなイベントで聞く奴がそう.

人がやってない手法を試すとかその領域になるとR&Dっぽくなるので今回はスコープ外かな...

結論

自分がやりたい振り返りは、

人・チームが主役となるふりかえり

とわかったので、

  • ワールドカフェ(+ちょっとしたYWT)
  • お絵かきをする

あたりを軸に何かやろうと思います!

アドバイスをくださった皆様誠にありがとうございました!!!

【余談①】チームビルディングの理想形?「未来指向」

ふりかえりのアドバイスの中で、これ読んどけ!と言われたブログが最高でした!

techblog.recruitjobs.net

最後の「チームビルディングの今後」にある「未来指向」という言葉がいいなと.

過去を振り返るだけでなく、未来をイメージしてチームを作るという視点はいいなと思いました.*6

【余談②】シレッと本、出てました.

Agile Japan 2016にて配布されたフリーペーパー「EM ZERO Vol.9」にて、私もシレッと文章(ポエム)を書かせていただきました.

EM ZERO Vol.9 | ManasLink ONLINE

インセプションデッキ」と「MVP開発」を用いたモダンアジャイル開発 というタイトルで、昨年PyCon JP 2015でやったネタ(野球Python)の開発過程をアジャイル文脈で解説しています.

ちなみに元ネタは昨年PyLadies Tokyo一周年記念パーティーのLTです.*7

www.slideshare.net

お時間ある方は是非ダウンロードするなりなんなりして読んでみてください!(ちなみに電子版は無料です)

お後がよろしいようで.

*1:効果が出る・出ないはチームの作り方や特性、メンバーのモチベーションやその時の状況で変わると思うので触れません.というより効果だして良いチームにしたりプロダクト作ったりするためにふりかえりをやる訳で(ry

*2:最近「いい意味で」スクラムマスターを廃業しつつありますが、ちょいちょいやることはあります、ある意味健全なのかも

*3:ファシリテートの負荷と準備を考えるとつらい

*4:前職の評価面談(WCM)とかもそうだったけど、「さあ経験を語れ!」と言われても案外うまく語れないよね

*5:大抵の場合うまく回らないから(小声)

*6:これはスタートアップのチームはみんなそうあるべきなんじゃないかと思ってる.

*7:PyCon JP 2015のLT応募して落選→PyLadiesでリベンジ→アジャイル魂2016公募で落選→EM ZEROで復活という山あり谷ありの作品になりました(しみじみ)

Python初心者がチェックしておいたほうが良いサイト・本・イベントなど.

Python

明日(5/31)の「Python入門者の集い #2」で調べたり思い出したりしたので軽くまとめてみました.

python-nyumon.connpass.com

この記事の対象者&対象範囲

一言で言えば、「入門者・初心者」です.

仕事や趣味で一通り使っている方にはちょっと歯ごたえが足りないかもですが、「いいな!」って思った奴は是非チェックしてもらえると.

ちなみにコンテンツ(サイト・本・イベント)はすべて日本語のモノを想定しています.

  • Pythonをはじめようと思っているが何からすればよいか迷っている方.
  • 既にPythonをはじめていてHello Worldやググッて見つけた書籍・サイトを参考にしているがなんともしっくり来てない方.
  • 一部のコンテンツを除き、 Python 3以上 を対象としております. 仕事の関係で2を使われている方は部分的に読み替えて貰えればと思います.

Python初心者がチェックしておいたほうが良いサイト・本・イベント

入門者向けコンテンツ(Web)

Python言語入門

@TakesxiSximadaさんがまとめられたQiitaのページが素晴らしく出来が良いのでこちらがベストかと思われます!

qiita.com

Pythonをインストールしてからとりあえず書いて動かす、型や制御といった言語仕様の話やサードパーティのライブラリの使い方まで順番にわかりやすく記載されています.

Webサイトのスクレイピングをやりたい方はこちらも見るといいかも.

qiita.com

Djangoチュートリアル(Web)

はじめての Django アプリ作成、その 1 | Django documentation | Django

Pythonを代表するWebアプリケーションFW「Django」のチュートリアルです.

私も最初はこれを写経しました(2,3年前に).

PyCon JP Blog

pyconjp.blogspot.jp

入門者だけでなく、中上級者も追いかけたほうが良いブログ.

日本最大のPythonカンファレンス「PyCon JP」に関する情報だけでなく、各地で行われるイベントや勉強会といった情報がマメに更新されています.

おすすめ本〜独習したい人へ

すべて私(@shinyorke)の経験と主観からチョイスしています.

休みの日や平日仕事終わった後にもくもく勉強したい方が読めばいいかな?という本を2冊ほど.

みんなのPython 第3版

みんなのPython 第3版

みんなのPython 第3版

私はこれの第2版で入門しました(5年くらい前に).

文法とかの解説がわかりやすい、読みやすいので結構好きです.

自社の開発チームでも、若手や新人にオススメしています.*1

入門 Python 3

入門 Python 3

入門 Python 3

こちら実は私ちゃんと読んでいないのですが、ぱっと見た感じ要点は抑えているのでいいんじゃないかなと思います.

ちなみにこのシリーズで「実践 Python 3」というやつもありますが、こちらは中級者以上向けです.

Pythonエンジニア養成読本

Pythonエンジニア養成読本[いまどきの開発ノウハウ満載!] (Software Design plus)

Pythonエンジニア養成読本[いまどきの開発ノウハウ満載!] (Software Design plus)

Web(bottle)やデータ分析(IPython,pandasなど)、インフラ構成管理(Ansible)といったあたりのわかりやすい使い方と例が載っています.

また、コミュニティーの紹介やちょっとした読み物もあり、わかりやすくて良いと思います.

おすすめ本〜仕事や開発チームで活かしたい方へ

独習だけでなく、開発チームやプロダクトに活かしたい方に向けたオススメ.

実際に仕事でも活用しています←

Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版

本のレベルは中級者以上向けですが、実際の仕事で必ず当たりそうなポイント(モジュールの分割とかパッケージの分け方とかCIとか)の実践的な事例が載っています.

チームに一冊あるとホントに良いかも.*2

パーフェクトPython

目的に合わせてライブラリを探したり実践例を知りたいときはオススメ.

主にWeb系の開発している人向けですが、データ系の人も読んでおくといいかもです(DBとかグラフ描画も扱っている).

パーフェクトPython (PERFECT SERIES 5)

パーフェクトPython (PERFECT SERIES 5)

イベント(ほぼ定期的に開催されるモノ)

私が在住している首都圏限定で.

Python入門者の集い

python-nyumon.connpass.com

今年からはじまったグループ.

ハンズオンやLT大会など、参加の敷居が低いのでオススメです(私もメンターやったり何故か登壇させてもらったりしてます).

Python mini hack-a-thon

pyhack.connpass.com

通称「#pyhack」で知られるもくもく会.

やりたいことや学びたい事を自分で持ち込んでもくもくと作業・開発をすすめる「もくもく会」です.

ほぼ毎月開催*3、20人前後集まりますが、最近は人気でもっと人が集まることも.

最後の発表タイム(基本全員やる)、ランチや飲み会(希望者のみ)と楽しむポイントが結構多いです.

Pythonもくもく会

mokupy.connpass.com

通称は「#mokupy」.

今年はまだやってないかも?やってる時はほぼ毎月やってるっぽいです.

内容は#pyhackとほぼ同じですが、発表はデフォじゃない、雰囲気・空気が静かな所に違いが有ります.*4

その他

野球

みんなが大好きなやつですw

(手前味噌ですが)過去にこんなブログまとめてますのでこちらをご参照くださいw

shinyorke.hatenablog.com

なお、Pythonがある程度読み書き出来るようになってから手を付けるのがベストです.

明日はこのブログに乗ってない話をさせて貰う予定です、よろしくお願いします!

python-nyumon.connpass.com

*1:こないだ久々に読みたくなって、新人から借りようとしたら「ググればいいんじゃないですか?」と言われたのはヒミツw

*2:余談ですが弊社の開発チーム(8人)には2,3冊あります

*3:PyCon JPを行う月とお盆、年始は開催されません.詳しくはリンク先で確認を.

*4:#pyhackは時折雑談が盛り上がる時があるw

エンジニア&データサイエンティストの為の「ビックデータベースボール」書評

Baseball セイバーメトリクス データ分析 野球 データサイエンス

ご無沙汰していますこんにちは.

5ヶ月ぶりの野球ネタです、気がついたらGW気がついたら野球が開幕してました*1.

つい先日、一部の野球ファンとデータサイエンティストな人を唸らせるこんな本が出ました.

ちょこっと出遅れた感ありますが、野球エンジニア的な読書感想文と考察を簡単に述べたいと思います.

野球とデータが好きな野球バカもしくはエンジニアの人が一人でも多くGWの課題図書にしてくれることを祈ります!

【書評】ビッグデータ・ベースボール

Starting Member

  • あらすじ
  • 見どころ・読みどころ
  • 【所感】ビックデータベースボールを読むべき人に贈る言葉
  • 【次回予告】PyCon JP 2016について〜今年はビックデータベースボールやるぜ!

あらすじ

本の宣伝をそのまま引用するとこんな感じです.

“常識”という難敵に“数学”という武器で挑んだ男たちの物語。

「ほかのチームから見向きもされなかったベテラン選手、多額の契約金で入団したドラフト指名選手、古い教えを受けたコーチ、数学の天才から成る寄せ集めのチームが、個々の能力を合計したよりも大きな力を発揮して、ここまで到達したのだ。彼らは新しい意見、新しい考え方、共同作業を受け入れなければならなかった。それが2013年の彼らの物語であり、彼らの成果だった。」

1992年から2012年(書籍の舞台となっている2013年の前年)まで、20シーズン(20年連続)負け越しの不名誉記録を打ち立てた米大リーグの弱小球団、ピッツバーグ・パイレーツが、

  • 他のチームから不要品同然の体で追い出されたベテラン選手
  • 数多くの期待を受けて入団してきた若き有望選手
  • 古い野球の常識・慣習を受けた監督・コーチ
  • データの力、数学・統計の応用でチームを改善に導いたフロントスタッフ

どこからどう見ても相容れないであろう、四者四様の背景を持つ人々が、「ピッツバーグ・パイレーツ」という一艘の海賊船でメジャーリーグの荒波に出て無事チームがプレーオフに行くまでの姿が描かれたノンフィクション小説です.

扱っているテーマはとしては、ブラッド・ピットが5年前に主演した野球映画「マネー・ボール」の原作と似ていますが、マネー・ボールは2003年、ビックデータベースボールは2013年で10年の月日が経過しており、その間に変わった野球観についても事細かく描かれています.

見どころ・読みどころ

2つのテーマで見どころ・読みどころを紹介します.

マネー・ボールからビックデータの時代へ〜マネー・ボールはもう古い

マネー・ボールで描かれていた野球統計学セイバーメトリクス」ですが、マネー・ボールの時代(2003)からビックデータベースボールの時代(2013)の10年間で、恐ろしく進化を遂げました.

一言で言うと、

選手自身や周りからは見えにくい・見えないデータを取得、分析・可視化することが出来るようになりました

マネー・ボール時代のセイバーメトリクス

  • 成績ベースでの振り返りがメイン、既存のデータを活用
    • スコアブック
    • 選手・チーム成績
  • シンプルな計算式・簡単な統計で評価
  • スコアブック・成績に出ないデータの評価はほぼ不可能*2
    • 守備範囲
    • 足の速さ
    • 球のスピード・キレ

ビックデータベースボールのセイバーメトリクス

  • 高性能スピードガン「PITCHf/x」、打者のプレーデータを取る「Statcast」で取得した多くのデータ(ビックデータ)で評価
    • 投手の球速、ストライク・ボールのゾーン分析、球のキレ(初速・終速・回転数etc...)
    • 野手の打球スピード・回転、守備範囲、肩の強さ(投球スピード&コントロール)etc...
    • 今まで取れなかったデータが取れるように!!!
  • 野球的な観点での仮説を元に指標を定義&仮説検証
    • 対戦打者の打球の傾向(引っ張るのか流すのかまんべんなく打つのかetc...)
    • 平均的なキャッチャーと比べてストライクを多く重ねるキャッチャーは何が違うのか?
    • ビッグデータのおかげで仮説検証がより細かく複雑に!
  • スコアブック・成績に出ないデータの評価が可能に
    • 守備範囲
    • 足の速さ
    • 球のスピード・キレ

このようなデータが取れるようになった経緯を解説しつつ、ピッツバーグ・パイレーツが繰り返した「仮説検証」と「実験」が数多く乗っている、中々読み応えがある内容となっています.

仮説検証と実験(ビックデータベースボール)

  • 不調の先発左腕は優秀なキャッチャーとの組み合わせで再生するのか?(F・リリアーノとR・マーティン)
  • 内野・外野の守備シフトはどこまで有効なのか?(クリントン・バームズ、スターリング・マルテ)
  • 故障明けの投手の投球スタイルを変えることは出来るのか?(チャーリー・モートン

詳しい内容は読んでのお楽しみということで.

古い野球観と新しい野球観の宗教戦争

マネー・ボールでも描かれていた「古い野球観と新しい野球観の宗教戦争」ですが、ビックデータベースボールでもかなりのページを割いて触れられています.

ちなみに、野球観の古い・新しいはざっくり言うとこんな感じです.

古い野球観

  • 選手・コーチ・監督等、野球のプレーと采配に関する経験が尊重される
  • よそ者(フロント・観客など)の意見は尊重されない
  • 「塁に出たら盗塁」「バントは有効」等、昔からの習慣も尊重される

新しい野球観

  • 選手・コーチ・監督のみならず、野球を支えている人たち、見ている人たちの意見も尊重される
  • よそ者の意見・プレーしている者の意見関係なく、意味のある意見・仮説が尊重される
  • 昔の習慣・データに対して「なぜ」を持つところから考え始める

ビックデータで野球の見えない部分が見えるようになった一方、古い野球の人たちは受け入れるのが難しい・そもそも受け入れたくない!

...というわかりやすい図式がこの本にも描かれていて、お互いが分かり合うために、

  • 上から目線でデータを導入、ではなく、データの価値・意味をわかってもらいながら伴走して導入
  • データ分析官(データサイエンティスト)がチームに帯同してコミュニケーションをとる
  • 古い野球観を全て否定する、ではなく尊重・正しいことは受け入れる
    • 例えば選手のメンターだったりトレーニング方法、プレーヤーが見ないとわからない所など

現場の野球経験と知識、フロント(データ分析官)のデータや統計に関する知識を融合して如何にチームを作るのか?といった辺りも読みどころの一つです.

ちなみに余談ですがこの辺自分が読んだ時には「Fearless Change」っぽいなと思いました.*3

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン

【所感】ビックデータベースボールを読むべき人に贈る言葉

この本は表題ほど優しい本ではなく、

野球の知識があり、データの解釈・読み方に対するリテラシーが高い人じゃないとそうそう読めない

レベルの書籍だと思いました.

ビックデータベースボールを読む人に求められる知識とスタンス

  • 最低限の野球ルールとデータの読み方を理解
  • マネー・ボールに書かれている指標や背景を理解
  • 何故このようなデータが取れる・仮説になるのか?が自分なりに把握できる

結構キッツい感じですがそれぐらいややこしかったです.

ちなみに言うと、メジャーリーグの知識そのものは無くても読める、むしろ無いほうが先入観なく読めると思うのでいいかな?と思っています.

そして、私が是非とも読んでほしいなと思っている方はだいたいこんな人々です.

ビックデータベースボールを読んで欲しい・読むべき人々

  • 野球が大好きなデータサイエンティスト
  • 野球Hack!的なプログラミングやデータ分析がしたいエンジニア
  • 野球、特にセイバーメトリクスが大好きで自分でもやってみたい!と思っている非エンジニアな野球ファン

いずれにしても野球好きじゃない・好きだけどデータの解釈・読み方が苦手な人は読めないんじゃないかなと思っています.

幸いにも私は野球もデータも大好きで、スコアデータを見ない日が無いくらい大好きでデータもいじれるエンジニアなので最高に楽しめました!

【次回予告】PyCon JP 2016について〜今年はビックデータベースボールやるぜ!

そんな、ビックデータベースボールに触発されて...というわけではないですが、今年のPyCon JPも野球をテーマにCfP(演題応募)をさせて頂きました.

pycon.jp

ビックデータベースボールのネタも頑張って織り込もうと思っていますので、「話を聞きたいな!」と思う方は是非シェアなどしていただけると幸いですm(__)m

お後がよろしいようで〜

*1:下馬評が低かったアスレチックスが意外と調子いい一方、中継ぎと外野が崩壊して低迷してる日ハムさんェ...orz

*2:簡易的な指標はあります

*3:実際Fearless Changeっぽい組織の変え方してる、偶然だと思いますが.

PythonistaとしてビザスクにJOINすることになりました!(2月から)

Python 仕事 日記

電撃移籍!

Pythonで野球の人」ですこんばんは!

突然の報告で恐縮ですが、

1月末日をもって株式会社リクルート住まいカンパニーを退職、2月からスポットコンサルティングのプラットフォーム「ビザスク」を運営する株式会社ビザスクにJOINすることになりました。

「ビザスク」では、Pythonista(Pythonエンジニア)とアジャイル、企画などなど出来ること何でもやる感じで精進いたします!

なお、リクルートでの業務は本日付(1/22)で終了、月末までは休暇を頂き、ビザスクのチームには2/1からJOINします。

summary

唐突過ぎる話なので、サービスの紹介と経緯、そしてリクルートへの感謝とこれからの話を。

  • ビザスク(visasQ)とは?
  • きっかけ
  • 移籍(出会いと決断)
  • ビザスクで成し遂げたいこと
  • 結び~リクルートへの感謝とこれから転職しようかな?というエンジニアの皆様へ

ビザスク(visasQ)とは?

ビザスクは、

  • ビジネス(特に新規事業など、個人・組織として未開拓の分野)のヒント
  • 意思決定の判断材料
  • 営業・マーケティング・技術(R&Dなど)の事前調査

といった、

  • 優れた有識者
  • 専門家
  • 経験豊富なベテラン

の知見を30分~1時間の会話(電話・テレカンなど)で得るためのプラットフォームです。

これらの知見を業界(製造・医療・社会インフラなど)、業務(新規事業・R&D・エンジニアリングなど)の双方から、知見が欲しく悩んでいる企業や個人に知見を提供、提供してくださった方々には謝礼を贈らせていただくサービスとなっています。

一種のクラウドソーシングのようなものですが、この手のサービスを「スポットコンサルティング」と呼んでいます。

ビザスク(個人向け)

ビザスク(法人向け)

メンバーは10人ちょっと、私は4人目(か3人目)のエンジニアとしてJOINさせていただく事になりました。

きっかけ

リクルートの中では新規・既存事業両方のサービスやプロダクトの企画・開発、エンジニアリングに関するあれやこれやを通じて、

  • 理念・意志を持ってサービスを成長させる
  • サービスへの愛とプロダクトへのこだわり
  • 集客~反響~成約までの流れ(Web Service的な意味で)

といった、前職時代やコミュニティーでは学べなかった、様々なことを学び、経験させて頂きました。

今までが企画や思いがある人・プロジェクトを手伝い、プロダクトとして作る仕事を沢山やってきましたが、理念や意志がサービスを成長させる、プロダクトへのこだわりはサービスへの愛が無いと成り立たない、そもそも俺Webでの集客~反響~成約をちゃんとロジカルに考えられてないなetc...と沢山の気付きや学びを得ました。

そんな中、ふと振り返って、

自分が理念・意志をもって全力疾走できるサービス・プロダクトって何だろう?

というクエスチョンが芽生え、まずは出会いの機会を増やそうと思い、Wantedlyなどで情報を収集したり、TGIF*1やコミュニティの集まりを通じて情報収集を行いはじめました。

時期的にはPyCon JP 2015が終わり、一段落した11月くらいだったと思います。

移籍(出会いと決断)

こうして情報収集を繰り返している内に、Wantedlyを通じてビザスクさんからスカウトメールが届き、そのメッセージが温かみがある素晴らしい内容*2だったこともあり、試しに会ってみようかな?という気になってオフィスに訪問しました。

CTOの花村さんとはPythonやエンジニアリング文脈で、CEOの端羽さんとはサービスやプロダクトの文脈で沢山ディスカッションをさせて頂き、

このサービスとチームはヤバい!(いい意味で)、このチームでサービスを成長させて世の中をハッピーにしたい!!

という気持ちが芽生え、居ても立ってもいられない感じになり、CEO面接の二晩後に返答、翌週に退職を申し出ました。

ビザスクで成し遂げたいこと

ここはまだ整理中なのですが、チームの一員として、個人として成し遂げたいことはこんな感じです。

※後で書き換えるかも

チームの一員&ビジネスマンとして

  • ビザスクの圧倒的な成長
  • 人や組織が持つ知見を広め・広げることにより幸せな組織・個人を増やす

個人として

主にエンジニア文脈

  • Pythonistaとして、イケてるサービスの基盤を作り上げる!
  • アジャイルスクラム、リーンといった知見を活かし、「知見を広める・広げる」プラットフォームをより良い感じに築きあげる

これらは私が勝手に思ってることなので、チームのメンバーと切磋琢磨しながら磨こうと思っています。

何はともあれ、

ビザスクのチームの一員に加えていただき大変楽しみで感謝しています!&最高のパフォーマンスが出せるよう、精進しますのでどうぞ宜しくお願いいたします!

結び~リクルートへの感謝とこれから転職しようかな?というエンジニアの皆様へ

リクルートへの感謝

リクルートへの在籍期間は僅か1年4ヶ月でしたが、長年の間蓄積されたリクルートの文化や仕組み、Frameworkそして同じリクルートの人々の助けや影響を受けて、ビジネスマンそして人間として一歩成長できたかな?と思っています。

特に印象に残っているのは、

といったところです。

特にWill Can Mustについては、(退職時の)上長に「お前が本当にやりたいこと何?」と問われ、Willをゼロから考え直すキッカケを作って頂いたことにより、色々と振り返り・見直すキッカケが出来てとても良い仕組み・文化だなと実感しました。

他にも沢山あるのですが、、、書ける範囲ではだいたいこんな所ですね。

ホント、全ての関わった人に本当に感謝しています&Webの世界・裾野はだいぶ広いけどコミュニティとしては距離は大分近いので、今後もリクルートの皆さんや組織と一緒に面白いことが出来れば!と思っております。

本当にお世話になりましたそしてありがとうございました!!!

【余談】これから転職しようかな?というエンジニアの皆様へ

今回の転職に関して、「きっかけ」で書いたメソッドは何となくやってみた!という感じなのですが、大筋の考え方はこちらのスライドを参考にさせて頂きました。

www.slideshare.net

@kon_yuさんGJ!!!

このスライドはSIerじゃなくても、Webサービス屋さん同士の転職で考えている方も行動を起こす前に是非読んでみるといいのかなと思っています。

個人的には特に、

ビジョンに共感した会社に行こう

という、読めば「当たり前だろうっ」っていう一言に大きな衝撃を受けました。

ビジョンに共感って、サービスの目的とか指向だけじゃなく、チームひいてはメンバーの一人ひとりが好きになれるか?社長の為に土下座できるか?ってところにも繋がってくると思うんです。

最近のエンジニア転職は、

  • 技術(言語とかフレームワークとか、Golangをproductionで使えるぜ!的な)
  • 職場環境(PCスペック、リモートOK、ご飯やお酒が出るetc...)
  • 待遇(言わずもがな)

といった情報やニュースに踊らされがちな風潮にあるので、ホント目がくらまない様に気をつけるのがベストかと思います。

なので、住まいや暮らし、住宅といった所を愛してやまない、そんなプロダクトをクールに立ち上げたいぜ!って方は是非ともリクルート住まいカンパニーに来ていただければと思います(宣伝)

オマケ

恒例の、「転職祝いに欲しいものリスト」を作りました。

ビールとかはチームのみんなで楽しめたらと思っていますので、寄付お待ちしておりますm(__)m

www.amazon.co.jp

*1:Thank God, It's Friday.の略、金曜日にエンジニア同士で飲みながら歓談するイベントのこと。

*2:当然ながら公表は出来ません、知りたい人は直接聞いてください