Lean Baseball

No Engineering, No Baseball.

データサイエンス・機械学習をやるためのエンジニアな本まとめ - 2019年版

ここ1〜2年くらいで、業務やプライベートのデータ分析・データサイエンスで参考にした本(と一部本じゃないもの)をまとめてみました(注:もちろん全部読んでいます).*1.

なお, あくまでワタシ個人(@shinyorke)の見解に基づいた独自解釈であり、所属組織・チームの意向とは関係ありません(とだけ最初に断っておきます).

サクッとまとめると

おしながき

対象読者&執筆者について

主に,

データサイエンス・機械学習をこれから仕事にする・既に仕事にしている人

となります(ただし研究者*2を除く). レベル的には「PythonやRをそれなりに触れる初心者〜中上級者」を想定しています*3が, 「プログラミングこれからやります」「Pythonやりたい」レベルだと辛いことだけはご了承ください.*4

また, (ワタシがやってない・苦手としている)画像処理・分類系は基本的に触れておりません, あしからず.

ちなみに執筆者(ワタシ)は,

  • データ基盤をやっているエンジニア(だがフロントからインフラまで何でもやる)
  • データサイエンスとエンジニアリング両方やるけどどっちかといえばエンジニア
  • Python歴8年か9年くらい, 他の言語も色々触る, マネジメントとかCTOもやってました.*5

という立ち位置です(のでガッツリ現場・実務の人間と思っていただければ幸いです).

全体像と考え方

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データサイエンス・エンジニア本まとめ(全体像)

このエントリーで言いたいことのサマリーです, 言うたらこれがすべてです!

言いたいことは実にシンプルでして,

  • あなた自身が「エンジニアな」事を学びたいか, それとも「理論・数学等, データサイエンスの基礎」を学びたいかで書籍を分ける
  • 実務にしていて, 基礎を抑えている人も学ぶべきテーマで書籍を分ける
  • エンジニアから行っても, 理論から攻めても, 両方必要ですからね!

と, (苦い失敗談含めて)経験上思っています.

コラボレーションする所から入る

エンジニアから行っても, 理論から攻めても, 両方必要ですからね!

の理由は凄くシンプルで,

エンジニアとデータサイエンティストの得意領域と範囲は異なる. 故にコラボレーションして仕事をすすめる.

からです*6(もちろん全てとは言いません, その辺は次の章にて).

(組織・会社・チームによって温度感・役割は違うと思いますが)大抵の場合,

  • データサイエンティスト・機械学習だけやるマンは, 獲得したデータセットを元に試行錯誤してモデルを作って使える状態にする
  • エンジニアな人は, そんなデータサイエンティストに元データを渡したり, 何かしらの方法でモデルをもらってサービスに組み込む

と役割が分かれています(雑ですがだいたいそんな感じでしょう).

これは「セキュリティ・会社のルールの都合上, 別れざるを得ない*7」「複数のプロジェクトを横断して兼任*8」というあたりが理由かなと思います(これは企業の大小, 歴史の有無関係なくあります*9).

何が言いたいかと言うと,

  • (自分がスキル・体力的に両方できるスーパーマンじゃない限り)実務で一人で全部やるのは最初から想定しない, やれるところをやる
  • 自分がエンジニアならデータサイエンティスト, データサイエンティストならエンジニアとコミュニケーションを取るためのお互いの事を少しでも知る

と, 割り切って学んじゃったほうが上達は早いんじゃないかなと思います.

エンジニアだったらエンジニアとしての仕事を, データサイエンティストならデータサイエンティストとして仕事で経験を積み, 残ったほうを趣味なり独学なりで積んでチャンスを待つのが良いのかなと思います*10.

キャリア的にも両方あると最高

なお, (上記の手のひら返しになりますが)昨今の状況だと,

  • 若手の人・学生を中心に最初から両方できる(もしくは両方をやる為の準備が整っている)人が増えている
  • ちゃんと手が動く(≒理屈マンじゃない)ベテランエンジニアも両方できるようになってきた
  • 企業の大小問わず、両方できる人は両方を横断的にやるようになってきている*11

という状況も(私の観測範囲内で)見えてきています.*12

先の繰り返し, 大切なので二度言いますが,

エンジニアだったらエンジニアとしての仕事を, データサイエンティストならデータサイエンティストとして仕事で経験を積み, 残ったほうを趣味なり独学なりで積んでチャンスを待つ

のも一つのあり方として良いですし, 趣味で結果が出る(≒異動・転職などで仕事で無事希望が叶う, ブログなり発表なりで大きなエンゲージメント得るなど)頃にはいい感じに両方それなりにできるのではと思っています.

これからやる人へ

というわけで, ここから書籍の紹介です.

  • これからやる人
  • もう経験している・実務でやっている人

の順にご紹介します.

※マトリクスでいうと, 左下(プログラミング基礎固め)から反時計回りです.

プログラミング基礎固め

ここは基本的に,

Python(か他の言語)なりデータベース(SQL)なりを自在に操るレベルになる

事を目標にするとちょうど良いかと思います.

これはメチャクチャよい指針となる本がありまして,

前処理大全[データ分析のためのSQL/R/Python実践テクニック]

前処理大全[データ分析のためのSQL/R/Python実践テクニック]

Python, R, SQLなどでデータを意のままに操る為のノウハウが載っている前処理大全がまさにその指針になるかなと思います.

また, ちょっと前の本ですが,

Pythonではじめるデータラングリング ―データの入手、準備、分析、プレゼンテーション

Pythonではじめるデータラングリング ―データの入手、準備、分析、プレゼンテーション

  • 作者: Jacqueline Kazil,Katharine Jarmul,嶋田健志,長尾高弘
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

もこれに当たりますし, 以前このブログでも取り上げた,

shinyorke.hatenablog.com

こちらも一つの指針になると思います.

なお, Pythonに限った話ですが, 少なくとも独学プログラマーに書いてあることのレベルは理解・実践必須かなと思います.

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

基礎から理論を学ぶ

機械学習や統計など理論を基礎から学ぶ過程です.

数学・機械学習のベースを理解する・使えるようになる

事が一つの指針になりそうです.

この目線でオススメは,

見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑

見て試してわかる機械学習アルゴリズムの仕組み 機械学習図鑑

  • 作者: 秋庭伸也,杉山阿聖,寺田学,加藤公一
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2019/04/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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機械学習図鑑は図表とコードでわかりやすくホントに図鑑として使えます(&装丁が良いので紙書籍がオススメ)*13.

また, 良質なデータ分析ブログを通じて事例を公表しているGunosyの中の人達が執筆した,

現場で使える! Python機械学習入門 機械学習アルゴリズムの理論と実践 (AI & TECHNOLOGY)

現場で使える! Python機械学習入門 機械学習アルゴリズムの理論と実践 (AI & TECHNOLOGY)

機械学習図鑑と比べると読み応えがありますが, その分クオリティが高いのでこちらもおすすめです.

両方やりたいです!という方向け

この領域だと「両方やりたいぜ!」っていう人もちょいちょいいると思います.

その場合は書籍じゃないですが, PyQをやってみるのも手かもしれません.

pyq.jp

「機械学習」「統計」「数理」等のコースがそろっているかつ, 実務系やWebアプリをやるコースも充実かつ, 何より運営・作っている中の人たちがプロ中のプロなので良いと思います.

また, 書籍だと「試して学ぶ機械学習」が両方網羅できていい感じです.

試して学ぶ 機械学習入門

試して学ぶ 機械学習入門

こちらは実際に予測モデルを作って簡易的なアプリを作る, という流れをAWSなど使って実践的にやっています.

正直, 写経・真似をするのにまあまあハードルが高いですが, エンジニア・データサイエンス両方を攻めるのにちょうどよい一冊かと思います.*14

実務で活かす人へ

この先は,

実務でやってます, でも色々と煮詰まってるので参考になる書籍プリーズ!

という方向けの本になります.

実務でデータサイエンス

複数のモデルを理解し目的に合わせて使いこなす

という, まさに実務で起こり得るシチュエーションにおける処方箋となるものです.

個人的にはこの目線ですと,

機械学習・ディープラーニングをしないことも選択肢に入れる

というのも重要な視点かなと思っています.

となると, 真っ先に思いつくのが

仕事ではじめる機械学習

仕事ではじめる機械学習

この一冊ですね. 特に第一章は必読です.*15

また, 最近出た本かつお気に入りなところだと,

機械学習のための特徴量エンジニアリング ―その原理とPythonによる実践 (オライリー・ジャパン)

機械学習のための特徴量エンジニアリング ―その原理とPythonによる実践 (オライリー・ジャパン)

  • 作者: Alice Zheng,Amanda Casari,株式会社ホクソエム
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2019/02/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ひとまず特徴量だそう!というフェーズであれば, こちらを参考にしてやるとちょうどよい感あります.*16

データ基盤エンジニア

実務で複数のデータ・サービスから基盤を作る

をミッションにした場合に抑えたほうが良い書籍です.

こちらはちょっと指向がかわり,

  • データを扱うエンジニアリング・プログラミングのあり方(設計的な意味で)
  • インフラやデータストア・プラットフォームのノウハウ
  • チーム設計も含んだマネジメント・組織論

となります.

これはちょっと流行っていて読まれている方もいるかと思いますが,

データ指向アプリケーションデザイン ―信頼性、拡張性、保守性の高い分散システム設計の原理

データ指向アプリケーションデザイン ―信頼性、拡張性、保守性の高い分散システム設計の原理

  • 作者: Martin Kleppmann,斉藤太郎,玉川竜司
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2019/07/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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データ指向アプリケーションデザインはまさに, 「データを扱うためのアプリ・プログラミングなデザイン」の書籍で, データサイエンティストが作ったモデルをサービスに実装するとか, 基盤のパイプライン設計などに役に立ちそうです.

また, インフラやデータストア・基盤関連だと,

SRE サイトリライアビリティエンジニアリング ―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム

SRE サイトリライアビリティエンジニアリング ―Googleの信頼性を支えるエンジニアリングチーム

  • 作者: 澤田武男,関根達夫,細川一茂,矢吹大輔,Betsy Beyer,Chris Jones,Jennifer Petoff,Niall Richard Murphy,Sky株式会社玉川竜司
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2017/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログ (1件) を見る

入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン

入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン

SREや監視といった定番のインフラ本だったり,

入門 PySpark ―PythonとJupyterで活用するSpark 2エコシステム

入門 PySpark ―PythonとJupyterで活用するSpark 2エコシステム

最近使われることが多いPySpark本とかも選ぶアーキテクチャ次第で生きてきそうです.

また, これらを必要とする頃には,

  • データ基盤の安定稼働
  • 運用する・利用するチームや人の座組・ルール作り

等のマネジメント・統制もテーマになるかなというのもあり,

データマネジメント知識体系ガイド 第二版

データマネジメント知識体系ガイド 第二版

  • 作者: DAMA International,DAMA 日本支部,Metafind コンサルティング株式会社
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: 単行本
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値段も大きさもゴツい本ですが, 組織に一冊あってもいいかもしれません.

また, これはブログですが,

yuzutas0.hatenablog.com

データ基盤・Opsの実践者で経験豊富な@yuzutas0さんのブログはウォッチするといいかなと思います(過去記事含めて).*17

長文となりましたが, データサイエンティスト・機械学習およびデータ基盤エンジニアの方の助けになれば幸いです!

*1:ちゃんと数えてはいませんが年間でそこそこ書籍読んでいます. データサイエンス以外のものも含め, noteの方にまとめあるのでご興味ある方はぜひそちらも.

*2:応用研究の一環でプロトタイプ作る, とかなら参考になりますが基礎研究に近い場合は参考にならないかと思います.

*3:ちなみに社会人か学生か、エンジニアかエンジニアじゃないかは問いません. 言葉の通り受け取ってください.

*4:これからPythonやるぞ!という方は手前味噌ですが, Pythonはじめる人向けの本まとめを書いてるのでこちらをどうぞ.

*5:今はSenior Engineerとして...っていう話はちょっと前のエントリーをご覧ください.

*6:この先の本文にはエンジニアな私目線で色々書いてますが, データサイエンティストな人前提の視点ではRetty岩永さんの文章が参考になりますので気になる方はぜひご一読を.

*7:データサイエンティストだからといって好き放題データを触らせるわけにはいかない, と考えるのが普通かなと.大きいサービス・企業であるほどリスクあるからです.

*8:データサイエンティストはデータほげほげ部に所属してプロジェクトに派遣される, 的なやつ.人数がそこそこいたりするとありますし, 純粋に適材適所とも言えます.

*9:トラディショナルなカンパニーは言うまでも無く, かなって思いますが, ベンチャー・スタートアップでも役割分担やタスクの優先度などの理由により別れざるを得ない時があります.

*10:というのも私はずっとエンジニア一辺倒で学んで, 趣味の野球分析(後に仕事になる)を経てポジションを掴みました(3年ちょいで). これが全てじゃないにしても一つのモデルケースかなと.

*11:スタートアップでCTOとかエンジニアCEOの人は両方で価値だしている人ちょいちょいいますし, 上記の有望若手・ベテランを適切に採用できたチームはわざわざ分業する必要すらない事もあります.

*12:組織のあり方もありますが, 機械学習界隈も色んなFWのおかげで生産性が上がっている, エンジニアな方に挑戦するにもWebアプリを中心にエコシステムが発達してるからかなと

*13:基本電子書籍派ですがこの本に限り紙で所有しています.

*14:余談ですが, 著者の一人である竹野氏は私の元同僚であり, エンジニアと機械学習両方できるマンなのでそのノウハウの一部が書籍で読めるのは美味しい, とだけ宣伝しておきます笑. 本文の通り真似するのにハードルはやや高いですが.

*15:このブログで何度も紹介していますが,それぐらい良い本です.

*16:翻訳・執筆が同じところってのもありますが, 「前処理大全」とセットで使うとより威力あります,と日本語版にもありました.

*17:私自身の仕事がデータ基盤エンジニアになる前からyuzutas0さんブログは興味深く拝見しています. 組織運営も含めた考察が結構参考なります&上記のデータマネジメント本はyuzutas0さんの発表にあったので真似して買って読みました.

「野生」への原点回帰と「新生」に向けての挑戦 - PyCon mini Hiroshima 2019レポート

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写真はきっと珍しいパック中工事中の厳島神社です.*1

終了からちょっと経ちましたが, 「感想ブログを書くまでがPyCon」なので書きます.

10/12(土)に開催されたPyCon mini Hiroshima 2019に登壇者および個人スポンサーとして参加してきました.

hiroshima.pycon.jp

このエントリーでは自分の発表および, 当日・翌日(≒非公式の二日目笑)についてレポートしたいと思います.

なお, PyCon mini Hiroshimaは2016以来3年ぶりの参加でした(2016も登壇者でした, ちなみに三年前のレポートはこちら).*2

TL;DR

  • 「野生の研究者・野球のエンジニア」として, 純粋にやりたいことをやれたという「原点回帰」最高でした.
  • と, 同時に「今後1〜3年でやりたいこと」および, JX通信社のイチ員としてのスタートも切れてなお最高でした.
  • 全員が同じ講演を聞く・楽しむ「ワントラックのカンファレンス」の醍醐味を改めて実感.
  • 「非公式」二日目の酒まつり・大和ミュージアム観光最高でした(息抜きとして).

自分の発表について

「2020年スポーツの旅 - Pythonではじめるデータ分析×GISプログラミング⚾」というテーマでお話しました.

名前の通り,

  • データ分析(pandas, セイバーメトリクス)
  • GIS(地図と可視化)

にテーマを絞った上で,

  • 球場にはお城と似た特徴があり, 球場の特徴は「パークファクター」である程度わかる
  • アメリカの球場の場所とちょっとした可視化の話を軸にGISに触れる
  • メジャーリーグのチームの「年間移動距離」に着目し, 既存の指標(勝率・ピタゴラス勝率)と比較してみる

という三部構成でお話しました.

なお, 4年前にやったこちらの2019年版とも言うべき内容でもありました.

shinyorke.hatenablog.com

「野生の研究者」としての「原点回帰」

(これは今だから言える感ありますが)CfP通過および参加を決めた時点でJX通信社への入社(とプロの野球エンジニア卒業)が決まっており,

「このタイミングだったらノンプレッシャーで好きなことできるのでは!?」

と思い, CfPに書いたことを半分無視してあえて, 制約を作らず「当日話せればOK」みたいなスタンスで望んだ*3結果,

  • シンプルに「やりたいこと」を「試したい手段・触ってみたいもの」でやる.
  • 「野球」を軸にしつつも, 他の趣味(城とか飛行機とか)を織り交ぜる.
  • そして何よりも, 「楽しく学べるようなこと」を楽しく話すこと!

というストーリーが明確に出来上がっていい感じに話すことができました.

スタンス的には, 「Python✕野球」をはじめて外部発表した5年前, Baseball Play Studyそしてニコニコ学会βでLTをした頃の事を思い浮かべながらやりました.

特に, ニコニコ学会βをきっかけに知った「野生の研究者」という生き方はかなり意識しました.

「どうにかこうにかソーシャルゲームで勝つために何とか技術で周りに勝つ方法を...!」という, 「自分自身のための研究」をやってたのが, 野球の仕事をすることが目標になったのをキッカケにエンゲージメントが中心*4に...という流れで昨今は「野生味」を(仕方ないとはいえ)失っていたのですが, 今回はちょっとばっかり野生味が出せてよかったなと勝手に思っています.

今後の活動という意味での「新生」

という気持ちでやったとはいえ, しっかりと「新しい味を出して生まれ変わる(≒新生)」感を出していければ,というのも意識しました.

自分がやりたいこととしては, GIS・位置情報で何かやりたい欲があったため,

  • 技術系の話はGISに寄せる. Geocodingとか可視化など.
  • 野球の話は凝りすぎない. 具体的には球場やチームの話に注力, 個別の選手の話は(雑談を除き)一切やらない.*5
  • やった結果の学び・フィードバックで, 統計・セイバーメトリクスの他もっと面白い挑戦(例・機械学習・自然言語処理など)に持っていけるようなストーリーを意識

といったあたりで少しずつ「新生」感を出したつもりでした.

この発表のフィードバックを元に色々と作っては壊しを繰り返し, 来年のPyCon JP 2020につながればと思っています.*6

PyCon mini Hiroshima 2019当日の感想

カンファレンス本体そして懇親会と存分に楽しみ,学ばせてもらいました.

感想を一言でいうと,

全員がひとつ屋根の下同じ話を聞くワントラックのカンファレンス良い!

ということでした.

普段であれば選択肢とはなり得ないジャンルの話を聞くと色々と学び・刺激があったりして面白いなというのが改めての発見でした.

例えば(私はUK Rock好きですが)カンファレンスだったらまず「話を聞く」選択肢に入らない音楽の話とかもあってかつそれがすごく面白かった・勉強になったりしたので最高でした.

ちなみにこの発表です.

www.slideshare.net

ライブコーディングが圧巻だったのと, 何よりデモが最高でした.

自分で選択肢があるとどうしても偏り・バイアスが出てきちゃうので, たまには選択肢が無い・ワントラックも悪くないなと強く思いました.

なお翌日(非公式な二日目)

疲れてはいましたが二日目(非公式)も堪能しましたよと.

*1:余談ですがこの写真は帰京する前に弾丸で行って撮ってきました.

*2:なお, 3年前も会場は同じでした.

*3:とはいえWeb周りがkepler.glの話のみで, responderとか期待されてていた方には申し訳ないなというお気持ちです.

*4:仕事にしたければ, 多くの人に見られ読まれて評価されねば感があってですね...その結果でプロになったわけで, まあそういうことです.

*5:過去に野球の話は334回くらいしてると思いますが, 分析・可視化の対象で選手が全く出てこない発表はおそらく初めてでした

*6:今更ですが発表タイトルの2020はそんな意味も含んでました.

生涯イチ・エンジニアとしてのキャリア - これから駆け上がる道について

今年に入ってから,色々と今後のキャリアのこと・人生どう過ごしていくか?を真剣に検討・行動し仕込みが終わったので言語化します(意訳:やっと言えるときがきた).

本日付で, 「プロの野球エンジニア」を卒業し, 明日から「ニュース・報道業界のエンジニア」としてJX通信社で新たな挑戦をします.

TL;DR

エンジニアとしての仕事はそのまま, ポジションと業界を変えて新しいキャリアを築いていきます.

  • 「生涯イチ・エンジニア」として, 終生エンジニアとしてのキャリアを歩む
  • プレーヤーとしても, マネジメント・その他のビジネス面にしても「元気なシニア・エンジニア」として引っ張っていく
  • このキャリアを実現するため, 「プロの野球エンジニア」としての活動は今日で終わり(本日最終出社でした)
  • 来月(というか明日)から, JX通信社のSRE兼シニアエンジニアとして, インフラ・データ基盤のエンジニアを軸として, 更に前に進みます

「生涯イチ・エンジニア」として

自分のエンジニアとしてのキャリアを考えると, やはり「野球エンジニアになりました」は一大事件であり大きな転機でした.

shinyorke.hatenablog.com

入社後は,

  • 主力プロダクトの開発・運用の全般(フロントエンドからバックエンド, インフラすべて)
  • データ解析・分析の環境作りと運用, 教育
  • 新規事業の技術的サポート
  • 採用プロセス作り

などなど, 小さい組織の一人目エンジニア・CTOらしいことを(好む好まざる関係なく)すべてやってまいりました.

その過程で,

  • スポーツ業界の良い面と課題点*1
  • 仕事やエンジニアリングの考え方の相違*2
  • 俺ってやっぱりデータ分析とか基盤とか, データの事をずっとやっていきたいのでは!?*3

... という所が少しずつ積み重なって見えてきました(年末年始ぐらいに).

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自分が目指すキャリア(過去ブログより抜粋)

そんな, 「自分の今までとこれから」を絵と文章にしたのが「2018年のふりかえりと今年の目標」でこれをまとめていく中で,

  • データで数々のことを示唆する・示唆するための礎を築く(基盤, Ops, MLなど)
  • エンジニアリングとプロセスで「魅せる」(ベースとなる技術・プロセスを元に価値を出す)
  • エンジニア・チームを「創る」(データ, エンジニアリング, プロセスでチームを育てる・人を増やす)

という風により明確化され, いくつかの仮説を持って友人・知人と「ザッソウ」を繰り返した結果,

「これって野球⚾じゃなくても実現できるのでは!?」

...ということに気が付き, 「40歳」になる前後で新たなエンジニア・キャリアを築くぞ!覚悟のもと, 転職活動を開始しました.

目指すキャリアと転職活動

目指すキャリアが決まったのと, 個人的な事情*4もあり, 転職活動をするぞ!と決めたのが6月.*5

準備をしながら自分ができることは,

  • Web系の開発全般. フロントもバックエンドもクラウドインフラそしてデータエンジニアリングも一通りはイケる
  • 開発チームのマネジメント. アジャイルでもウォーターフォールでも
  • エンジニア組織開発と運用. 現職の経験(CTO業), 以前のEngineering Manager経験(採用・技術広報)etc...

という経験・強みが整理され,

  • 好み(大企業よりはベンチャー, 古い会社より最近の会社, etc...)
  • 弱み(例えば英語はダメ, 数学も情報工学・数学を専門にしてる連中には及ばない, etc...)

というソフト面(不得意・ネガティブ面も込)をまとめた上で逆Job Descriptionを作りました*6.

これを何度も磨いた結果,

  • インフラ、基盤からデータサイエンスを扱う機械学習エンジニア(兼, SRE)をメインミッションにする
  • その他のエンジニアリング(フロントエンドとか, スクラムマスター的な役割など)もやっていきしていく
  • プレーヤーとしてだけでなく, 組織開発・マネジメントもやる. 3〜10人くらいのメンバーと一緒にやりながらとか

大雑把に言うと,

ベンチャー・スタートアップのシニア・エンジニア枠(含むCTO/VPE)ってことじゃね?

という, 「これなら転職サービスやエージェントに説明できる!」というモノが出来上がった時点で色んな会社さんに会いに行きました.*7

なお, 会社さんとの接点は

  • 友人・元同僚など, 元々のつながり*8
  • 転職サービス経由でのやりとり*9

この2つをメインに作っていき, 上記に上げた「逆Job Description」と合いそうな会社さんにカジュアル面談・選考をしました.

最終的には希望していた2社での一騎打ちとなり, 様々な希望・チームの感じも一番フィットしたJX通信社に決めました(理由は次節を見て).

なお, 転職活動に要した期間は1ヶ月, その間にやりとりした会社さんは約20社(内, 会ったのは半分程度)です.*10

JX通信社でやっていくこと&選んだ理由

JX通信社はto B向けの「FASTALERT(ファストアラート)」, to C向けの「NewsDigest(ニュースダイジェスト)*11」といった緊急速報・ニュースに関連する強いサービス・プロダクトを展開する「仮想通信社」という面白いベンチャーです.

詳細を知りたい方はぜひ, コーポレートサイトWantedly等をご覧いただければと思います.

jxpress.net

www.wantedly.com

ここで私がやることですが,

  • SREチームのエンジニアとして, データ基盤・プラットフォーム開発およびインフラの整備*12
  • 今までのCTOなりManager経験を活かし, CTOやVPEそしてチームの皆さんを全力サポート*13

という, 先程掲げた逆Job Descriptionに合致するお仕事をさせてもらうことになりました.

コア技術もPython中心*14と, 私の技術スキル・経験と合致したのも大きかったです.*15

なお, JX通信社に入社を決めた決めた理由は結構たくさんあります*16が,

  • 一番の理由はCTO/VPEはじめ, 会ったエンジニア全員がInput/Outputに貪欲かつ真摯であったこと*17
  • 採用担当の方のスカウトメールから, 入社前オンボーディングに至るまで全員がとにかくきめ細やかであったこと.*18
  • 上記のJob要件ほか, 年収・福利厚生ほかすべての条件を妥協なく合意できたこと.*19
  • コミュニティ活動に非常に寛容かつ前のめりで, PyCon JPのスポンサーを複数回, その他勉強会サポートなどが充実していること.*20
  • 代表の米重さんが最アンド高に面白いかつビジョン・夢が素晴らしくて一緒にやりたいと思った.*21

といったところで, 考えていた「シニア・エンジニアとしてのキャリア」を迎えるに相応しいチームと出会えてよかったと心から感謝していると同時に, 入社後も背筋をシャンと伸ばしてやっていきます.

野球とスポーツに感謝

そんなわけで, 日本プロ野球そしてメジャーリーグへのビジネスの機会を頂いた, 「”プロの”野球エンジニア」としての挑戦は今日で終わりです.

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大切なことは野球が教えてくれた

ウインターミーティング*22に行けたのはホント良かったな...学びも悔しさもありますが.

スポーツTechの分野は野球に限らず, もっと伸びる・伸びていかなくては行けない領域で, チャレンジできることはまだまだたくさんあるのですが.

  • SREとしての挑戦
  • エンジニア組織の開発
  • パラレルキャリア(後述)

という「野球というより, シニアエンジニアとしてのキャリアとこれからを作る」視点では今の自分が続けるのにはモチベーションが持たないと思い, 卒業を決めました.*23

2018年2月から今月までこのチャレンジをしてたくさんの出会い・学びがあり, 結局今回のキャリアチェンジも「野球の仕事」を通じて形成されたキャリアなのでスポーツ特に野球には感謝しています.

機会を頂いたネクストベースの皆さま, そして応援・支援をしてくださった皆さまありがとうございました!

そして今後も何かしらの形でスポーツ界・ネクストベースに還元できればというのと, スポーツ業界は最高に面白い・やりがいある領域なので, 「スポーツやるぞ!」の逆算からのチャレンジ, やっていきましょう!

これからのキャリア(他にやりたいことなど)

最後になりますが, ここまでの経緯・行動・これからのことって結局のところ,

「好きなこと」をトコトン追求する&手を動かして実践する

という, 自分が大切にしている行動指針・思想が元になっていて, おそらくこれからも変わらないんだろうなと思いました.

※上記の背景・思想は拙作「逆算のキャリア設計」にあります

また, ここ5,6年くらいずっと「好き」を追求した結果, 昔の自分からすると想像もできなかったスキル・人脈そして自信(とお金)がつき, 全く考えたこともなかった領域(スポーツから報道へって意味で)にチャレンジする機会ができたっていうあたりは,

「好き = 天職」とは限らない, 横展開できる力が「天職」を招く

と言えるんじゃないかな?と実感しました.

そんなエンジニア・キャリアを今後も歩むべく, JX通信社に入社後も,

  • 本業に支障をきたさない範囲で技術顧問とか, 何かしらのアドバイザーとかも. 週末起業もいいかもしれない.
  • そろそろ本も書きたい, テーマは未定.
  • Pythonもくもく自習室(#rettypy)みたいなコミュニティ活動は継続してやっていく.

などなど, 本業と並行してやりたい「パラレルキャリア」が山程あるのでやっていきます.

ちなみに, プライベート的には年内お引越しのつもりです*24&相変わらず結婚とかの見通しはたってい(ry

これからも色んなチャレンジはすると思いますが, 「天国の一本道*25」こと, 「国道334号線(+国道244号線)」と同じくらい, ブレずにこれからやっていきます.*26

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道は続くよどこまでも(334号線)

何はともあれ, 明日が初出勤なので寝坊しないようにがんばります.

というわけで, 野球エンジニアとしては再びアマチュアに戻ります*27が今後ともよろしくどうぞ!

*1:ちなみに自分は純度100%の文化系人間で, 学生時代スポーツ系の部活は全くやっていません(中学・科学部, 高校・帰宅部兼図書委員)

*2:いちいち詳細には触れませんが, いわゆる「音楽性の違い」です.

*3:色々とやるのが嫌だというわけでない(次も色々やるので)のですが, それにしてもデータを扱う仕事に注力できなり事情がいくつかあり...っていうあたりがもやっとしていました.

*4:まあ, プライベート的なものです. 結婚ではないのが残念ですが(´・ω・`) ちなみにネガティブな理由ではありません.

*5:ちなみに転職活動そのものは, Rettyに入った時以来なので3年ぶりでした(現職はダイレクトメールで来てそのまま面談なので活動らしいことはしていない).

*6:これは職務経歴書としてまとめました. Markdownで書いてPDFでエイッと. なお公開はしません.

*7:ちなみに諸条件(年収とか就業条件)は当然メチャクチャこだわってやってました. が, このエントリーの主旨から外れるのでここでは言及しません.

*8:幸いにも, ずっと昔から声をかけてくれたりして頂いているので相談に乗りやすかったです. ありがとうございます!

*9:何を使ったかは明言を避けますが, 勝手に情報収集する系のサービスじゃないのだけは確かです. ちなみに, エージェントは相談する前に活動終わっちゃったので結局頼らず.

*10:に, 加えてスカウトメール等は年収等の条件に合うやつだけでも30, 40通くらいありました.

*11:なぜこんなに通知が速いのか!?ってぐらいやばいです. 無料なのでお試ししてもらえると嬉しい. iOS, Android, Twitter.

*12:要するにデータ基盤エンジニアです. 使うものもPythonやデータ分析・解析系のミドルウェアやライブラリが増えると思います, 散々野球でやってきた領域ともいえる.

*13:具体的な内容には触れませんが, 採用や広報, その他できるところは何でも

*14:PyDataおよびWebのメジャーどころはだいたい抑えて本番運用しているとのこと. これはホントにありがたい.

*15:と言いつつ,これについては受けた会社だいたいそうだったのでっていうのもある.データエンジニア系だと今はPython不可避ですし.

*16:少なくとも25個以上は.別に辛くはないです?w

*17:一言でいうとHRTが各々の心のなかにあって実践できているというか. 故に, 選考はかなりエキサイトかつ厳しいもので, 無事, 選考を通過して入社できてホントによかったと改めて思っています.

*18:ロジカルと情熱のバランスがちょうどよかったというか.変に待つことも約束違いも無く驚いてます.

*19:「誠意は言葉よりお金」という金言もありまして, 年収は妥協しない前提で活動していました.福利厚生についてはフルリモートではなくても, 週に1・2回できるといいなという感じで選びました. 後述の通り, 勉強会サポートもすごいありがたい.

*20:勉強会・イベントは業務扱いなど制度もありますが, ほぼ全員が各々のコミュニティで活動している点が一番刺さったポイントでした(実際に活動している点が).

*21:とある予測についてのアプローチが野球と一緒!という話で盛り上がった. なお, 肝心のウサギ愛好家の話は聞けなかったのでこれは入社後に笑

*22:メジャーリーグにて年に一度開催される全体会議で球団に代理人, 選手に関連企業・業者が集う一大イベント. 昨年はラスベガスで開催されました.

*23:むしろ今若い人でスポーツ・野球好きの人はかなりチャンスあると思いますってのと, 自分があと10年, 15年若かったら多分継続してたと思います. 自分は好奇心の塊なのと, 「やりたいことをやり抜く」のを大切な価値観にしてるので動いちゃうんです, 落ち着き無いというか.

*24:会社の近くに住む予定, 引っ越し成立の場合15年住んでいた杉並区から離れることに.

*25:サムネイルのこと. 地元・知床の有名な道です.

*26:なんでや!!!Hanshin!!!関係ないやろ!!!!

*27:言うても一度中の人になっちゃったので, まわりに迷惑をかけない程度に引き続きやっていきます, Baseball Play Study復活もあるかもしれないし, 他の仕掛けもちょっと考えています.