Lean Baseball

No Engineering, No Baseball.

「世界一流エンジニアの思考法」は強いエンジニアの習慣がいい感じに言語化されていてよかった件

界隈で話題になっている(と私は認識している)「世界一流エンジニアの思考法」を早速読んでめちゃくちゃ良かった, とにかく人に勧めたいぞ!

という現役エンジニア(私)による書籍の感想エントリーとなります.

話題の本めちゃ良かったです.

このブログを書く数日前にkindleで買って読む→めちゃいいやん!→紙版も買う←今ここ

ってぐらいすごく良かったです*1.

何が良かったか一言で言うと,

「強いエンジニアの習慣がここまでいい感じに言語化されている!!!」

という所ですね, 割と余すところなく詰まっていると思いますし, 一つ一つのTipsは再現性もあると思います(真似できるかどうかは別として真似は可能*2).

そんな「世界一流エンジニアの思考法」の感想を手短に書きます, 気になる方はお付き合いください.

TL;DR

強いエンジニアになる最もな近道は「学ぶは真似る」「真似できるような強いエンジニアと働くこと」である.

書籍の感想

世界一流エンジニアの思考法」, Kindle読みながらちょいちょい気になるところをマークしていました.

マークしたものをエイッと要約すると以下の3つにいい感じにまとまりました.

  • 偉大な習慣を身につける
  • さっさとコミュニケーション
  • 心身に余裕を持つ

これがそのまま私の感想です.

偉大な習慣を身につける

「できるエンジニアって何かしらの偉大な習慣(良い習慣)を持っている」という話が一番刺さりました.

自分が仕事をコントロールできているという感覚、何かわからないことがあっても「自分ならやれる」と思える感覚だ。

(中略)

人生の様々な小さなことを「コントロールできている」感を得ることができ、「自分ならできる」という安心感も生まれてきた。

世界一流エンジニアの思考法「偉大な習慣をつけたプログラマになる」より引用

自分が仕事をコントロールできているという感覚、何かわからないことがあっても「自分ならやれる」と思える感覚だ。この部分ですが,

  • 業務で触ってたあるRepositoryのある機能について理解して開発できる&後輩に引き継ぎできるようになった!
  • チームにJoinしてから初めてPull Request出してめっちゃレビューしてもらってマージされてリリースされたぜ!!
  • ずっとわからなかったGoogle CloudのDataprocを理解して使って何だったら登壇して話せたぜ!!!

上記は自分の例ですが「わからないがわかるようになった」「自分のタスクをいい感じにコントロールできている」感を得た時って「やったぜ」「いい感じに仕事をコントロールできているしているぜ!」って思うわけですが, これを上手く言語化されていて素晴らしいなと思いました.

強いエンジニアというのは「自分ならできる」という大きい背中を持っていて, チームや周りに安心感を与えるからこそ強い, という側面があると思うのですが.

これも結局は小さい習慣の積み重ねなんだろうと思いました.

  • 試行錯誤は悪
  • 小さなドキュメントをコードに書く
  • Be Lazy(怠惰であれ)というマインドセット

等など, 本全体で「頑張れば習慣化できそう」というTipsが牛尾さんのエピソードとともに載せられており, サクッと読めていい感じでした.

さっさとコミュニケーション

「できるエンジニアのコミュニケーションは手短(クイック)であり, 周りに安心感を与える.」のがわかる考え方・エピソードが言語化されていて良いと思いました.

自分がメモった気になるワードを上げていくと,

  • クイックコール(今ちょっと話せる?的なビデオコールのこと)のすすめ
  • プログラミングはコミュニケーションの塊
  • 気軽に聞ける空気は重要

など, 「強いエンジニアのコミュニケーション」に関するTipsが沢山のっていました.

ちなみにいくつかは自分もすでに(同じ思想のもと)やっていることだったのでガッツポーズしました, 読みながら*3.

この辺だと書籍には,

総じてイケてる技術者の人ほど、知らないことは知らないと素直に明かして気軽に質問する。

世界一流エンジニアの思考法「気軽に聞ける空気の大切さ」より引用

言い方を変えると(注・書籍の言葉ではなく私の感想・オリジナル文です), 「普通の技術者&技量が未熟な技術者ほど、知らないことははぐらかすか後で調べるかして素直に質問しない。」なんですよね(≒自分にも心当たりが大いにある).

結構心に刺さったのと,

技術イケメン(注・できるエンジニアの意味)たちだって、「知らないものは知らない」し、「間違えているものは理解が浅い」だけであって、それを恥とは思っていない。知ったかぶりをするほうがよっぽどかっこわるいし、後でこっそり調べるのも生産性的には本当に無駄な作業だ。理解できるまでその場で突っ込んで聞いたほうが、すぐにバリューが出る。

世界一流エンジニアの思考法「ディスカッションで鍛えられること」より引用

「後でこっそり調べる」はせめて「打ち合わせ中にググりつつ質問をぶつける」ぐらいがちょうどいいかなあと思います*4が(私は実際やってる).

これは老若男女問わずマジでそうや!と334回はうなりました, なんでや.

心身に余裕を持つ

(エンジニアに限らず)一流で強い人は心身に余裕がある, 仕事と休みでメリハリをつけている.

習慣化の話の次に「おおっ」と来た所が

毎日仕事して寝るだけの生活が続いている、でも自分の実力はわかっているから生産性を上げたいという悩みを話した。すると彼は、「生産性を上げるためには学習だよ。だから、僕は仕事を定時ぐらいで切り上げる。その後で、自分のやりたいトピックを勉強したり試したりする。ずっと仕事していると疲れるし、たとえ同じプログラミングでも、仕事と切り離したものはリラックスしてできるよね」

世界一流エンジニアの思考法「生産性を上げたければ定時上がりが効率が良い」より引用

私も(世間の平均と比べたら)強い方のエンジニアだと思うのですが, 全くもって同じ意見・同じ習慣を持っていました*5.

  • ワークライフバランス
  • 「タイムボックス」制を活用して学習・プライベートな時間を確保
  • 脳の酷使をやめる工夫(マインドフルネス・睡眠・デジタルデトックス)
  • 違うことをする(趣味で手を動かすなど)

仕事で減ったHPとMPを回復するいい感じな習慣がいくつも載っていてよかったです.

【我思う】自分が一流エンジニアになる為の施策

世界一流エンジニアの思考法」を読んでの感想は以上ですが, 本を読んで「我思った」所として,

  • 学ぶは真似る.
  • 強いエンジニアと働く.

この辺を薄っすらと思ったのでポエム的に書きます.

学ぶは真似る

「いや自分が思ってたのと違うし」「こんなのできるかい!」って思う前にまず真似て実践してみる.

この本全体通して思ったのが, 牛尾さんはとにかく意見を周りの強いエンジニア(技術イケメン)に聞いて回って真似しているんですよね.

この「学ぶは真似る」素直さはどこにいようが老若男女関係なく重要だなと改めて思いました.

自分の周り(自分の話を含む)だと,

  • 過去に一緒に仕事をやってきた若者*6, 伸びる人はとにかく素直で真似たり勉強したり実際やってみたりで判断してから自分のスタイルに落とし込んでいた.
  • 逆に伸び悩む人はどうしても先入観や過去に学んだものに囚われがちで自己流で対処→問題・ピンチに当たっても何もできず時間を溶かしているように見える*7.
  • 自分自身も若い頃・未熟だった頃は先入観・思い込みとの戦いで人真似をせず時間と信頼関係を溶かしていた&その呪縛が解かれて「学ぶは真似る」をしてからスピードと質両方が上がって信頼貯金も増えた.

エンジニアに限らず, 「学ぶは真似る」「素直でいること」は割と真意だと思いました.

強いエンジニアと働く

手本となる「強いエンジニア」と働く体験は超重要!

これは自分の経験でもめっちゃ強く言いたいのですが,

「強いエンジニアがいる組織で働く機会を得たら強い人の一挙手一投足をとにかく真似ろ&いっぱいコミュニケーションを取ろう!」

どんな会社, どんなチームに居ても「強いエンジニアと共に仕事をする」のは割とガチャ要素が強いイベント(ただし例外はある*8)なので, この機会は活かしましょう.

かつての私も前のコンサル時代やベンチャーで出会った強いエンジニアの習慣や書いているソースコード, ドキュメントを見てめっちゃ真似しました&仔細は言えませんが今もそれに近いことをしています(かつ自分が真似されることも意識しています).

真似する対象ですが, 「MacBookなどのガジェットをフルスペックにする」「良いキーボードを使う」など表面的なもの*9より, 「タスクの順序」「Pull Requestの粒度」「ドキュメントの構成・構文」「休日の過ごし方」などの方が良いと思います.

自分が過去にあった強いエンジニアはだいたい「コードを書く仕事」「コードを書かない仕事」「業務後・休日の過ごし方」あたりは独特かつ納得行く習慣を持っているのでこの辺に着目するといいかもしれません*10.

結び - アジャイルとDevOpsは大事

というわけで,「世界一流エンジニアの思考法」の感想を紹介しました.

迷ったら買いだと思いますし, ひとまず流し読みでも最後まで読んだほうがいいです.

ちなみにですが, 著者の牛尾さんは,

本書の裏テーマとして、日本でアジャイル、DevOpsをはじめとする最新技術やプロセスの導入を米国並みのスピードにしたいという思惑もある。

とまえがきに書かれています.

これは自分も強く望んでいますし, アジャイルとDevOpsへの興味と理解があってこそこの本の理解が進む&価値が出るモノと私は思っているので,気になる方はアジャイルとDevOpsも学ぶと良いのではと思いました.

最後までお読みいただきありがとうございました.

*1:どれぐらい良かったかと言うと買ったその日に読み終わりました.

*2:結びにも記載しましたが, 前提となるアジャイルやDevOpsの思考や文化がかなり求められるので普通のビジネス書より真似するのは困難かもと思っています. なお私はアジャイルとDevOpsどっぷりの世界で育って仕事しているので理解は全然追いついています(のでブログとして書いています).

*3:牛尾さんと同じくアジャイルとDevOpsの世界で育った身なので「気軽に聞ける・話せる空気」「困ったらクイックに話す」「プログラムは文章でありコミュニケーションの塊」というのはずっと染み付いていました.

*4:あと, 「知らない」というより「前に学んだけど忘れた」というケースもありますよねと. それでもその場では「わからない」「知らない」という状態なので聞いちゃえってのが正解だと思いますが.

*5:仕事と切り離したお遊びやブログ執筆は本当にスッキリするし勉強になって好きなのです. ちなみに野球データ分析もそれでしたが後に仕事になったのは私の特殊性かもしれません.

*6:と書きましたが, 歳を取ってからも伸びると思います, 私があまりその事例に会ってないだけで実際は歳重ねての急成長は有り得そう.

*7:これは若者・中堅・ベテラン関係なくあるあるだと思っています.

*8:例外は有名すぎる外資ITのエンジニアチームに入るぐらいしか無いと思います. また, 「強いエンジニアと働く」ガチャで確率を上げる方法としては「自分が強いエンジニアになる」「小さい会社の強いエンジニアと働く」が上げられます(どっちも経験あります私は).

*9:Macをフルスペックにするのも良いキーボードを使うのもよいですが本質はそこじゃないんですよね.

*10:過去に会った強いエンジニアは総じて休日の過ごし方は上手いしスポーツや禁酒などで心身保ってる感は凄いです.