Lean Baseball

No Engineering, No Baseball.

「野生」への原点回帰と「新生」に向けての挑戦 - PyCon mini Hiroshima 2019レポート

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写真はきっと珍しいパック中工事中の厳島神社です.*1

終了からちょっと経ちましたが, 「感想ブログを書くまでがPyCon」なので書きます.

10/12(土)に開催されたPyCon mini Hiroshima 2019に登壇者および個人スポンサーとして参加してきました.

hiroshima.pycon.jp

このエントリーでは自分の発表および, 当日・翌日(≒非公式の二日目笑)についてレポートしたいと思います.

なお, PyCon mini Hiroshimaは2016以来3年ぶりの参加でした(2016も登壇者でした, ちなみに三年前のレポートはこちら).*2

TL;DR

  • 「野生の研究者・野球のエンジニア」として, 純粋にやりたいことをやれたという「原点回帰」最高でした.
  • と, 同時に「今後1〜3年でやりたいこと」および, JX通信社のイチ員としてのスタートも切れてなお最高でした.
  • 全員が同じ講演を聞く・楽しむ「ワントラックのカンファレンス」の醍醐味を改めて実感.
  • 「非公式」二日目の酒まつり・大和ミュージアム観光最高でした(息抜きとして).

自分の発表について

「2020年スポーツの旅 - Pythonではじめるデータ分析×GISプログラミング⚾」というテーマでお話しました.

名前の通り,

  • データ分析(pandas, セイバーメトリクス)
  • GIS(地図と可視化)

にテーマを絞った上で,

  • 球場にはお城と似た特徴があり, 球場の特徴は「パークファクター」である程度わかる
  • アメリカの球場の場所とちょっとした可視化の話を軸にGISに触れる
  • メジャーリーグのチームの「年間移動距離」に着目し, 既存の指標(勝率・ピタゴラス勝率)と比較してみる

という三部構成でお話しました.

なお, 4年前にやったこちらの2019年版とも言うべき内容でもありました.

shinyorke.hatenablog.com

「野生の研究者」としての「原点回帰」

(これは今だから言える感ありますが)CfP通過および参加を決めた時点でJX通信社への入社(とプロの野球エンジニア卒業)が決まっており,

「このタイミングだったらノンプレッシャーで好きなことできるのでは!?」

と思い, CfPに書いたことを半分無視してあえて, 制約を作らず「当日話せればOK」みたいなスタンスで望んだ*3結果,

  • シンプルに「やりたいこと」を「試したい手段・触ってみたいもの」でやる.
  • 「野球」を軸にしつつも, 他の趣味(城とか飛行機とか)を織り交ぜる.
  • そして何よりも, 「楽しく学べるようなこと」を楽しく話すこと!

というストーリーが明確に出来上がっていい感じに話すことができました.

スタンス的には, 「Python✕野球」をはじめて外部発表した5年前, Baseball Play Studyそしてニコニコ学会βでLTをした頃の事を思い浮かべながらやりました.

特に, ニコニコ学会βをきっかけに知った「野生の研究者」という生き方はかなり意識しました.

「どうにかこうにかソーシャルゲームで勝つために何とか技術で周りに勝つ方法を...!」という, 「自分自身のための研究」をやってたのが, 野球の仕事をすることが目標になったのをキッカケにエンゲージメントが中心*4に...という流れで昨今は「野生味」を(仕方ないとはいえ)失っていたのですが, 今回はちょっとばっかり野生味が出せてよかったなと勝手に思っています.

今後の活動という意味での「新生」

という気持ちでやったとはいえ, しっかりと「新しい味を出して生まれ変わる(≒新生)」感を出していければ,というのも意識しました.

自分がやりたいこととしては, GIS・位置情報で何かやりたい欲があったため,

  • 技術系の話はGISに寄せる. Geocodingとか可視化など.
  • 野球の話は凝りすぎない. 具体的には球場やチームの話に注力, 個別の選手の話は(雑談を除き)一切やらない.*5
  • やった結果の学び・フィードバックで, 統計・セイバーメトリクスの他もっと面白い挑戦(例・機械学習・自然言語処理など)に持っていけるようなストーリーを意識

といったあたりで少しずつ「新生」感を出したつもりでした.

この発表のフィードバックを元に色々と作っては壊しを繰り返し, 来年のPyCon JP 2020につながればと思っています.*6

PyCon mini Hiroshima 2019当日の感想

カンファレンス本体そして懇親会と存分に楽しみ,学ばせてもらいました.

感想を一言でいうと,

全員がひとつ屋根の下同じ話を聞くワントラックのカンファレンス良い!

ということでした.

普段であれば選択肢とはなり得ないジャンルの話を聞くと色々と学び・刺激があったりして面白いなというのが改めての発見でした.

例えば(私はUK Rock好きですが)カンファレンスだったらまず「話を聞く」選択肢に入らない音楽の話とかもあってかつそれがすごく面白かった・勉強になったりしたので最高でした.

ちなみにこの発表です.

www.slideshare.net

ライブコーディングが圧巻だったのと, 何よりデモが最高でした.

自分で選択肢があるとどうしても偏り・バイアスが出てきちゃうので, たまには選択肢が無い・ワントラックも悪くないなと強く思いました.

なお翌日(非公式な二日目)

疲れてはいましたが二日目(非公式)も堪能しましたよと.

*1:余談ですがこの写真は帰京する前に弾丸で行って撮ってきました.

*2:なお, 3年前も会場は同じでした.

*3:とはいえWeb周りがkepler.glの話のみで, responderとか期待されてていた方には申し訳ないなというお気持ちです.

*4:仕事にしたければ, 多くの人に見られ読まれて評価されねば感があってですね...その結果でプロになったわけで, まあそういうことです.

*5:過去に野球の話は334回くらいしてると思いますが, 分析・可視化の対象で選手が全く出てこない発表はおそらく初めてでした

*6:今更ですが発表タイトルの2020はそんな意味も含んでました.