Lean Baseball

No Engineering, No Baseball.

私が好きだった「もくもく会」の昔と今とこれからとかいう話

魅力的な技術アウトプットはいい感じに作れる」というポエムがいい感じにバズって驚いている人です*1.

note.com

先に断っておきます,

このエントリーは「イベントの参加記録」および「ワシがIT勉強会をいい感じに運営していた頃と今(そしてこれから)は違うのお」とかいうポエムです.

なので魅力的な技術アウトプット(を所望する方は前回のエントリー*2をどうぞ)でもなく, 何かしらのコードが出てくるわけでもなく, 野球の話をするわけでも無いことをご了承ください.

さてさて, エンジニアな皆さんに一つ質問です, 「みんなで集まって開発したり議論したりするのは好きですか?」

みんなで集まって開発は楽しい(イメージ)

私は非常に大好きでして,

  • 仕事でペアプログラミングやモブプログラミングをするのはメチャクチャ好きです.
  • 何故好きかと言うと, その場で議論したり検討したりでプロダクトができると同時に知見が残るし共有できるからです.
  • でも, プライベート(趣味・個人開発)では敢えてやりません, 理由は自分が好きに作りたいからです(チームでやる場合を除き).

仕事もそうなのですが, かつて「Pythonもくもく自習室」というイベントを運営してた時, 最も楽しみだったのは最後の成果発表でした.

shinyorke.hatenablog.com

いやー懐かしい, 5年前ですね.

成果発表でコメントを貰ったり, 逆にコメントをしたりというのが楽しくてしょうがなかったですし, 私自身が非常に勉強になりました.

その後, コロナがやってくる直前まで約2年半, もくもく会を開催(オンライン含む)したり, 元から参加しているPython mini hack-a-thon(通称#pyhack)にもずっと参加しているのですが,

  • オンラインになってから明らかに参加人数減ってる
  • ワイ「コロナが明けたら戻るんじゃね」→結果戻ってもいない気がする
  • 古株だけ残って何だか老Guy感無いかい???

という悲しい側面がチラホラ見え始めてきました, 老Guy感は捉え方は人それぞれなのでいいとして.

私のもくもく会も, (オンラインで食の提供ができない, 参加メンバーの状況変化に伴い)2020年を最後に活動していません&多分今後はやらないと思います*3*4.

めっちゃ前置きが長くなりましたが,

私が好きだった「もくもく会」ってこれからどうなっちゃうのさ?

っていうお話を最近のエピソードも交えて紹介したいと思います.

なお本日のスターティングメンバーはこちらです.

TL;DR

(少なくとも私は)もう「もくもく会」というイベントにはこだわっていません, 参加するのも運営するのも.

何故ならば, 「自分を取り巻く環境と事情」が「もくもく会はMustじゃない」と言ってる気がするから.

「もくもく会」は学習塾でありサロンだった(2019年以前)

「もくもく会のこれから」を語る前に私ともくもく会の馴れ初めそして盛り上がっていた過去の話を先にしますね.

なんとこのブログにちゃんと記録がありました.

shinyorke.hatenablog.com

初参加が2013年2月なので, この記事は初参加から1年ちょっと経った後の話ですねと.

2014年のshinyorkeさんいわく,

参加者層が幅広い!

一番多いのはWeb系エンジニアですが、ハードウェア系のエンジニアや学生さん、変わったところでは会社で人事?総務?をやっている女性がPythonを書きに参加したこともあります。

また、学生さんも多く、最年少記録は、、、小学生が参加したこともあります!

なんでも聞ける・知れる!

主催のメンバーはPyCon JPの運営委員で皆さんPythonのプロフェッショナルな上、運営委員以外でもWeb frameworkのスペシャリスト、統計や数値演算系のプロ、組み込みやロボットに明る人そして野球好き(?)と、PythonやPython以外の知見を得ることができます。

また、雑談から発展してWebやエンジニアリングの熱い(面白い?)議論になったり世間話で終始したりetc...結構面白い展開が待っていますw

発表がクッソ面白い!

私は発表の時間が一番好きかもです

当日の成果発表は人それぞれやってることが違うのですごく勉強になります。

本気で凄いことをしている人もいれば、私みたいに野球ネタに走ったり、ネタっぽいHackをしたりする人もいて、同じPythonでやってるとは思えない、多様性があります。

オンサイト(物理会場で人が集まる)での良さが全力で出た感じですね.

軽く要約すると,

  • エンジニアの勉強会なのでエンジニアが来るのは勿論だが, Pythonを学びたい・使いたい老若男女がやってくる多様性.
  • Pythonのみならず, エンジニアリングや他の技術的な話題(たまに技術じゃない話題)も広く・深く知れる技術レベルの高さ.
  • 成果発表(LT)を行い, 意見・フィードバックを貰うことで新たな学びを得たり次に進むヒントを得たりするアンラーニング効果.

これがもくもく会, 特に#pyhackを支える価値だったのかなと思います.

私, 毎月楽しみにしていてつい最近まで月の土曜日の予定は#pyhackの有無を確認してから決めてましたから, それぐらい重要で価値がある時間でした.

とまあそこで色々やってると私もまあ鍛えられまして(Pythonもそれ以外の技術・スキルも), 「私も同じ感じでやろっかな」と思って立ち上げたのが「Pythonもくもく自習室」でした.

shinyorke.hatenablog.com

会のフォーマットはそのまま真似しつつ,

  • 初心者からベテラン(強者)までバランスよく集まれる様, 参加枠を工夫(多様性をいい感じにブーストしつつ技術レベルの高さをキープ).
  • ランチやおやつタイムをいい感じに演出し会話タイムを作る(多様性を活かす).
  • 成果発表を小さめのカンファレンスっぽくやることでいい感じに盛り上げる(アンラーニングの促進).

という独自要素(&夜の懇親会は基本やらない*5)を加えた結果, #pyhackとはちょっと違うタイプの参加者が居たり私個人としてはその後のキャリアにも影響する出会いがあったりとやってた2年半は本当に充実していました.

今思えば,

「もくもく会は同じトピックスを持った人たちが集まる学習塾でありサロンだった」

だった気がします.

PyCon JPに近い, 正統派?なPython使いは #pyhack に集い, データサイエンス系だったりゆるふわな感じの人(&shinyorkeとちょっと話したい人)がもくもく自習室に集うとか*6.

他にも「Pythonもくもく会(#mokupy)」なんかもありましたし, この時代はいくつかのPythonの「もくもく会」なサロンがありましたとさ.

オンライン化で得たもの・失ったもの(2020-2022)

「このままずっともくもく会に参加したり主催したりするのかなあ爺になるまで」と思っていた時期が私にも有りましたが, 事情がちょこっと変わったのが2020年でした.

そう, 新型コロナウイルスです.

会そのものがオンラインに移行したりしましたし, PyCon JPなどのイベントもオンラインになりました.

コロナ禍の間, 私のもくもく会に対するスタンスはどうだったかと言うと,

  • #pyhackはオンラインで参加.
  • 「もくもく自習室」は活動休止. 途中周年で1回, 別の機会で1回オンラインでやりましたが結局その後復活せず.

でした, #pyhackがオンラインでやってくれたお陰で月イチの話相手に困らなかったのと, 懇親会がオンラインになったので自由に出入りできるのも良かったです.

何だったら懇親会, 一番参加してたのがオンラインの時ですね私個人は.

中々人に会えない時期でもあったので色々救われた感すらあります.

が, オンラインになって気がつくことも出てきました.

  • 多様性が薄れてきた. オンラインで知らないイベントに飛び込むのには勇気がいる?せいか, 以前ほどの多様性がなくなった感(=参加者が減った).
  • アンラーニング効果がオンサイトほど無い. オンラインあるあるですが, 会話が減っちゃうのと成果発表LTでも発言とかフィードバックが難しい.
  • 技術的な知見・学びの興味がPython以外に移ったせいか, 以前ほど技術的なワクワクが無い気がしてきた(あくまで私個人の感想). これは他の参加者と私とでスタンスや興味の違いのせいかも*7.

「ITの勉強会とか技術的なイベントへの興味が薄れた」説もありますが, まあどっちもそこそこ参加しているのとそもそも「もくもく会」が無くても趣味プログラミングしているので技術屋としては元気なのは間違いなくて.

誤解を恐れずに言うならば,

もう毎月「もくもく会」に参加する必要無いんじゃない?

去年ぐらいからうっすらそれを思うようになりました.

もくもく会からの卒業(2023-これから)

そして今年に入ってからのスタンスですが,

  • 毎月の#pyhack 参加は無理にやらない, 出たい時に出る.
  • 一方, 知り合った人たちは今もこれからも大切な同じサロンの仲間なので交流をめっちゃする(Slackや飲み会でワチャワチャする).
  • 主催は...やりたくなったらやろうかな, 今後の人生プランとご相談の上.

そんな感じに今は思っています.

こうなった背景としては,

  • #pyhack に参加し始めた2013年から最初の4, 5年は学ぶものの大きさがあり積極的だったものの, 今は割と自走できてるので学ぶ意味での参加意義が薄れた.
  • 新たな人との出会いはイベントで求めるんじゃなくて, (23年で7回転職する程度の)ジョブホッパーな私は職場で求めるのが自然.
  • 加えてブログや登壇を通じて新たなつながり(出会い)も獲得できているのでそっちを頑張る方が良さそう.

こんな所ですかね...他の参加者や世間的にはどうなのかわからんですが,

私の中で「もくもく会」の役割は終えた気がします.

結び

というわけで,

「イベントの参加記録」および「ワシがIT勉強会をいい感じに運営していた頃と今(そしてこれから)は違うのお」とかいうポエム

は以上となります.

#pyhack およびもくもく会がネガティブに見えちゃっていたら申し訳ないです, ここまで色々書いたのはあくまで私個人の見解です.

でもまあコロナが明けても新しい人が来なかったり, 参加人数が少なかったり(これは他のIT勉強会イベントもそれありそう), 時代は色々変わってるんじゃないでしょうか.

ちなみにこのエントリー, 本当は「Pyhack Con」の感想を書くつもりで書いてました.

...が, 整理していく内に今のもくもく会に対するお気持ちを書いたほうがいいなとなり, 大分内容が変わっちゃいました.

ちなみに今の初心者の方とか若い人ってどこでPython学ぶんでしょうね?

  • 充実しまくってるオンライン学習(PyQなど)
  • たくさん出まくっている書籍
  • 学校や職場
  • クローズドなコミュニティ(SlackとかDiscordあたりの)

なんか知ってる方いましたら教えてください, それではまた.

*1:思ったより共感得られたなあという感想です, アンサーソング的な意見お待ちしています.

*2:割と作業メモに近いシンプルな構成なのですが結構好きです, そりゃあブクマちょこっと付くわけだ.

*3:当時の運営メンバー(私含む)は各々自分の道でいい感じにやっているのと, 会場をお借りしていたRettyさんも移転したため.

*4:「多分」と書いたのは, 地元(杉並)で集まれる人が集まってやれたらとか考えています...が他の要件もたくさんあって話としては進んでいません.

*5:これには2つ理由があり「ランチとおやつで交流するからいいでしょ」というのと, #pyhackの懇親会が非常に長く, 個人的にはダメージがでかかったので敢えてやらないことで差別化しました(といいつつ年末と周年の時は開催しました).

*6:身内(双方の常連とか知ってる人)の話題でもちょいちょいありました, 私の感覚としてはガチPython勢が#pyhack, データサイエンスやゆるふわな感じ, 僭越ながら私と話したい的な人はPythonもくもく自習室と別れていた気がします, どちらかしか出ない参加者の傾向として(とはいえ両方出てる人も結構な数いました)

*7:この頃からデータ基盤とか機械学習とかクラウドエンジニアリングとかフロントエンドとかそっちに興味が移ったので.