Lean Baseball

No Engineering, No Baseball.

「逆算のキャリア設計」誕生秘話〜あの記事のちょっとした裏話

写真は2ヶ月前、デブサミのスライドの追い込みに追い込まれて美味しいお酒とご飯を頂きながら一生懸命やってた風景です。*1

なんで写真撮ったんだろう?笑

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それはさておき、野球エンジニアですこんばんは。

昨日(4/12)、縁あってGeekOutさんのコラムとして載せてもらったこちらのエントリーについて

geek-out.jp

  • 引き受けた理由とストーリーについて
  • 書いてる内容の補足(細かすぎて載せなかった話)
  • 結局、「逆算のキャリア設計」って何なの?

についてふんわりと残したいと思います。*2

TL;DR

  • 「なるんだ!」があろうがなかろうが、「何か」から「逆算」してキャリア作りするような世の中になってほしいなというお気持ちをこめて「逆算のキャリア設計」というタイトルに
  • 「逆算のキャリア設計」というタイトルは査読から生まれた。査読メッチャ大切。
  • 野球データをちゃんと追うキッカケになったのは90年代の阪神タイガース(新庄剛志氏、藪恵壹氏ほか)
  • スキルアップ・キャリアのためとはいえ、「やみくもに勉強会・イベントに登録する・行く(もしくはドタキャン)」な風潮には警鐘を鳴らしたい
  • 今回は「キャリアチェンジ」にフォーカスを当てましたが、 #BPStudy では「コミュニティ活用」軸でお話をします(スライドはこれから)

おしながき

ストーリーについて(話を受けたキッカケから執筆まで)

デブサミ2018のあの話および、このブログを読んでくださった方がGeekOutさんの関係者で、直接オファーをいただきました。

メッセでやり取りした中で意気投合し、ちょうどBPStudyにも「デブサミの再演をやりたい!」とオーダーしてた時期で整理もしたかったのでお話を受けさせていただきました。*3

ストーリーはデブサミの話を軸に、

  • キャリアチェンジ(というか転職)を繰り返して目標に登る中でのエピソードや心がけたこと
  • そもそも何故野球データバカ好きになったのか?というエピソード
  • デブサミでは話をやりきれなかった提言とか警鐘

を中心に、デブサミの話を引いたり削ったりしながら作成しました。

自分の話かつ、デブサミのスライドで既に完成度が高いものになってたので*4、割と作るのは楽でした*5、苦労したのは写真選びと撮影ぐらいですね。*6

レビューから公開までのあれこれ

GeekOutさま側の担当者および、自社(ネクストベース)のメンバーそして、私が非常に恣意的にお願いした外部レビュアー(ここが後に重要なポイントになる)にレビュー・査読を依頼、細かいプルリクをひたすら打ち返して完成しました。

レビュー・査読について

自社メンバーには主に社内的なチェック、GeekOutさんにはメディアとして、ライティングやトンマナ・表記ゆれなどを見ていただける、、、という所で協力を頂いたのですが(感謝!)、

あれ、エンジニアが見てコメントする工程が無いのでは!?

と気が付き*7

  • ネットもリアルも顔見知りかつお話や議論したことがあって(つまり「友達」)
  • リードエンジニアだったり、CTO/VPE経験者だったりして(つまり「強者」エンジニア)
  • かつ、元同僚ではない方*8

という感じでお願いをしました。

具体的には、 @bash0C7さん、@hageyahhooさんの二方にお願い→快諾いただきました。

ホント感謝ですし心強かったですありがとうございます!

「逆算のキャリア設計」というタイトル誕生秘話

強いエンジニアレビューでは、

  • @bash0C7さんからはCTO/VPE目線でのコメント(細かい話は省略)および、「コミュニティの話を推してみたら?*9」という提案→後者はBPStudyに昇華される(ほぼ確定)
  • @hageyahhooさん、「エンジニアもビジネス目線が重要じゃろがい!」的な話を軸にフィードバック多数(意訳:ワイの表現の推しを強めるべきという熱い応援*10

そんなレビューコメントを頂きつつ、 @hageyahhooさんのあるフィードバックから出てきた言葉、

「逆算のキャリア設計」って言葉いいんじゃない?

この言葉が妙にツボに入り、文面を大幅修正→最終的にはタイトルまで昇格しました。

というわけで、

「逆算のキャリア設計」は@hageyahhooさんが名付け親です(やったのは私だけどねw)。

ホント、このレビューは有意義でした。

コンテンツの裏話〜細かすぎて載せなかった話

というレビュー祭りが公開ギリギリまで続き、昨日公開に至りました。

geek-out.jp

ここでは本来詳しく書きたかったけど、流石に細かすぎて載せなかった話をいくつか。

※特別な断りが無い限り、すべて元記事からの引用です。

高校〜社会人若手時代に成績計算をしてた対象は?

私は、高校生の頃から野球のデータにたいへん興味がありました。朝のスポーツ新聞で試合結果や好きな選手の成績を眺めては、「ヒットがあと2本出たら打率3割だ」「今日9回投げて自責点2以内なら防御率が2点を切るぞ!」といった視点でデータを計算し、夜にテレビやラジオの中継で答え合わせするのが大好きでした。

社会人になってからも、手段がスポーツ新聞からインターネットの速報・成績データに変わった以外は、同じように成績データを見ては打率や防御率などを暗算して楽しんでいました。

日本のプロ野球、このときはセ・リーグ球団の選手の成績計算をよくしてました。*11

スコアブックの読み方や計算方法を実際の成績とパワプロ・やきゅつくで覚えた感じです。

マネー・ボールを知ったキッカケのTV番組

そんな中、2004年(当時24歳)に見たメジャーリーグの番組で、

  • 打率より出塁率が重要

  • バントや盗塁するより長打を打て

  • 投手の責任は「三振」「四球」「長打」だけだ

といった、「データから客観的にプレイを評価し、選手・チームを改善していく」概念が紹介され、たいへん強い衝撃を受けました。

プロ野球ニュース?すぽると??と思った皆さん、残念でした。

当時TBSの月曜深夜に放送していた,「MLB主義(えむえるびー・いずむ)」という番組でした。

MLB主義 - Wikipedia

司会はとんねるずの石橋貴明さん、解説牛島和彦氏(まだ横浜の監督になる前)で、野球好きとしてMLBをもっと知りたい(&タカさんのスポーツトークの大ファン*12だった)私がずっと見ていた結果、マネー・ボールと出会うことになりました。

ドッグフーディングはどこで習ったのか?

自社サービスを使い倒す系のやつですね。

やり始めてたのしくなった&学びがあることに気がついたのがビザスクで、もっとうまい感じにやって使い倒そう!と思ったのがRettyでした。*13

今はここで学んだことを(形を変えながら)ベースボールギークスでどうやってやろうか?と思案したり試してやるのが楽しみです。*14

強く言いたいところ

記事の内容および、はてブのコメントを元に、言いたいポイントをいくつか。

「なるんだ!」でも他でもなんでもいいので「逆算」して何かをやる計画を立てる&愚直にやることは良いことだと思う

(言葉をもらったとはいえ)タイトルに込めた思いは、

"「なるんだ!」があろうがなかろうが、「何か」から「逆算」してキャリア作りするような世の中になってほしいなというお気持ちをこめて「逆算のキャリア設計」というタイトルに"

という所です。

私は自分自身が「先の目標、それも越えるか越えないかハードルが微妙に高い目標に長く取り組む」ように仕向けないと、延々とサボったりダラダラするところがあるので、敢えてそこにハードルを設けるためいつの間にか中長期の目標を立てるクセが付きました。

この方法が果たして万人に有効なのかわかりませんが、

  • 中長期目標を決めてやる
  • 途中で見直して進路調整(いわゆる「ピボット」)を繰り返す
  • 自分のことなので、途中でダメだったり気が変わったらやめても構わない、ぐらいの気持ちでやる
  • 成功してたらトコトン追求する

と良さ気だということに気が付きました。

カンが鋭い方なら気がつくかもですが、「動くアプリケーションがユーザーさんに価値を出してることを正とする」というアジャイルに親しい考え方だったりします。*15

このやり方・考え方が万人好みとは思えませんが、キッカケだったり何かを考える転機になると良いかなと思っています。*16

道具・手段を「好き」になってほしい(でも道具は道具、手段は手段)

はてブのコメントにあった件のある種回答になるのですが、

  • Python・アジャイルは「好き」なのは間違いない
  • でも、プロフェッショナルとして「道具」「手段」として捉えることは忘れたことはない、むしろ大切にしている
  • 使わなくても切り抜けられる最短ルートがあれば迷わずそっちを取る
  • とはいえ冷徹に「道具だ!」「手段だ!」というのは寂しいが過ぎる→じゃあ好きでいいじゃん!

という論法で結局のところ「好き」という表現に落ち着きました。*17

また、この「好き」というのは手段・道具だけでなく、「コミュニティが好き」にも掛かってることを付け加えておきます。

スキルアップ・キャリアのためとはいえ、「やみくもに勉強会・イベントに登録する・行く(もしくはドタキャン)」な風潮に警鐘を鳴らしたい

今思えば「野球データ使うから機械学習エンジニアになるぞ!」と安直に決めたり、やみくもに勉強会・イベントにたくさん行かなくて(必要なものだけ行って)良かったと思っています。

これも自分の話なのですが、敢えてメッセージ風に言うと、

"やみくもに登録している勉強会・イベント、本当に行くんですか?(&その後、役に立ってますか??)"

という問いかけだったりします。

Pythonのもくもく会(リンク先はレポートです)を運営をしている身として、出欠者のチェックを色んな視点で行っているのですが*18、複数回来たり、発表が定番化してレギュラー化している方たちは、

  • 明確にスケジュール組んで参加している(ように見える)
  • やみくもにイベント・勉強会に登録してない、ピンポイント狙い撃ち
  • 時間通りに来る人が多い、ダメなときも事前の適切なタイミングで連絡がある

方が多かったりします*19。逆説的には、

  • 登録したイベント・勉強会をキャンセルしまくってる
  • やみくもに登録してる(故にスケジュール立たない?)
  • 故に、定着もしないし結果的に機会損失になってる*20

のでは?という方もたまにみかけます(おせっかいで恐縮ですが。。。)

たくさん登録しようがキャンセルしようが自由っちゃ自由ですし、私が運営してるもくもく会はルールに従って参加・待ちを決めてるのでアレなのですが、

  • 目標を立てて逆算して
  • 仕事・プライベートの活動決めて
  • 計画的にやる、無理なくいい感じに

やるだけでも大分進展するのになあ〜、と思っています。

この辺はもうちょっといい感じに別の機会に語りたいです。

むすび&BPStudy(4/20)予告〜「逆算のキャリア設計」完成編

というわけ、GeekOutさん記事を中心にふりかえりつつポエムでした。

レビュアーの皆さんおよび、協力いただいたネクストベースのメンバーそして、機会をくださったGeekOutさん、誠にありがとうございました。

一週間後のBPStudy(Baseballじゃない方)にて、デブサミおよびGeekOutとは少し軸をかえて、「逆算のキャリア設計」についてお話します。

bpstudy.connpass.com

@bash0C7さんから頂いた、「コミュニティの話を推してみたら?」の部分を具体化してお話したいと思っています。

基本はデブサミの再演ですが、ディレクターズ・カット版かつ、GeekOut版も挟んだ上での集大成としてやりますので来られる方はぜひご期待ください。

というわけで次はBPStudyでお会いしましょう!

*1:ちなみにここです酒・肴 赤津庄兵衛(あかつしょうべい) (荻窪/居酒屋) - Retty

*2:分析とかエンジニアリングのブログではないのでゆるくやります(棒読み)

*3:のと、所属企業のネクストベースおよび、プロダクトのBACS・ベースボールギークスを一人でも多くの方に知ってほしいという元エンジニア広報としての嗅覚もですね

*4:なんせデブサミのスライドはほぼ丸3日、徹夜も挟んで作った大作

*5:100枚超えスライドからの引き算でしたが、一個のモノリシックな発表ではなく、なんとなくモジュール構造にしてたのが勝利の要因です笑この辺いずれ言語化して設計パターンにしたい

*6:サムネイルは同僚氏が撮った奇跡の一枚でした。僕の4シームの握りが微妙だった以外完璧

*7:自社にエンジニアがいればよいのだが残念ながら私一人

*8:ここは悩んだポイントでしたが変な「元同僚」バイアス掛からない方が良いと判断し決めました

*9:「個人・コミュニティ活動の積み重ね〜」みたいなところが引っかかったとのことでした

*10:念のために言っとくとビジネス目線話は元々たくさん書いてて、どちらかといえば文脈確認しつつ、もっと強気におそうぜ!的な内容でした、具体的にはエモすぎて言えない

*11:特に在阪球団の選手、当時ファンだった

*12:賛否両論ある方とは思いますが、見る軸とか面白く語る姿が好きで、なんとなくですが私が外で野球の話をする時も影響受けてるような気がします(メタファーの一つではある間違いなく)

*13:特にRettyのドックフーディングのヤバさは凄い、成長するサービスの底力と文化大切

*14:多くの人に読んで知ってほしい、という意味ではまず自分が使わないとね

*15:プロダクト・チームが価値を出すためには個々の力が、、、というのはみんなが同意する所かと思いますが、案外「自分が最適化することによって」と言ってる方が少ないなと思い、言ってみました。持論だけどこれは譲れない。

*16:つまりアナタ次第、自分事って意味で

*17:ブログ全体の文脈・バランスという意味合いもあります、そして実際好きなので好きでいいじゃんと

*18:内容は秘密ですがやってて面白いです

*19:セルフマネジメントができてるって事だと思ってます。

*20:私が立てたルールに弾かれてるというより、結果的に弾かざるを得ない感じになってるという印象